今回の飯能市議会定例会では、議案の大半が国の法改正などに関連したもので、特段反対しなければならないというものはありませんでした。
補正予算第1号については、歳入歳出ともに、国や県の関連事業に紐づくものが大半でした。
残部分で確認するべき事項として、
●7款商工費、商工業団体支援事業の19商工会議所会館建設費補助金
について、要件を確認しました。
補助金の支出は、支出の算定根拠が必要であり、当初資料というものがなく、言葉での説明のみで、妥当な算定か確認できませんでした。
市側に算定根拠の資料取り寄せを依頼し、その後資料では、床面積の対象範囲、算定額が明確化され、明らかに過剰だとか、算定根拠がないというようなものもなく、妥当と図面や数値で判断、賛成に至りました。
最近でも、以下のような補助金支出の問題事例があり、注目いたしました。
環境省、みやまSEに補助金106万円の返還を請求 – 産経ニュース
薩摩川内市が福岡のファンド会社に補助金1億円を返還請求
●補正予算2号
もう一つの確認事項は、工事費の増額補正でした。
小岩井ー元小岩井線の改良工事、斜面杭打ち工程で想定外の事態発生が理由でした。
こちらについては、映像等もみながらの詳細な説明がありました。
1.5/20に1本目の杭打ちに掘削したところ、想定以上に地下水が湧き出て、汚泥状態の土砂が流出。
2.想定以上にもろい土の性質で、掘削した穴の壁が乱れ、崩れて、底に地下水たまる。
3.時折、波立つくらいに勢いよく湧き上がる地下水で、さらに壁が崩れる。
4.掘削→打ち込み→モルタル注入と、1日1本の工事予定だったが、急遽、変更対応。
5.掘削した壁にモルタル注入→ケーシング→打ち込み→土砂撤去⇒モルタル再注入…と1本に5日を要した。
6.汚泥が河川に流出しないよう。土留めではなく、防護壁を作る対応も必要に。
7.ボーリング調査で地下水があることはわかっていたが想定以上だった。
8.2本目も全く同じ工程を要し、75本すべてに対応するには、予算が不可能に。
9.難工事の為、機会のリース料その他が1日に100万ほどかかり、工事の長期化は、巨額の費用負担となり、緊急を要する。
10.6月議会で補正が承認されたら、正式に契約を締結、9月議会で上程。
という今後も含めた流れです。
2割ほどの費用増となり、施工方法の検討が不十分だったのではないかという指摘も可能でしたが、
ここで議決を得ておかないと、費用がなくなりさらに工事が遅延してしまうことになります。
費用については追加の国からの支援もあり、全額市が負担ということではなかったことも、賛成に至るポイントです。
こちらも、他自治体で似たような事例があります。
補助工法追加で鷹ノ巣道路30億増 2018年11月9日新潟建設新聞
賛成はしましたが、今後同様の事態が続いては、新年度予算を審議して着実に負担増なく進める前提が崩れますので、
事業についての考え方を今後聞く必要もありそうです。
令和元年6月定例会は、全ての議案が全会一致で可決し、閉会しました。