初老ジャパンの活躍で引退競走馬がトレンド入りして、あらためて書いてみるわが国の馬の福祉

パリオリンピックはメダルラッシュで、新たに注目される選手や話題も盛り沢山。
連日アツい報道です。

その前半では、総合馬術最終種目の障害飛越で、日本が団体で、115・80点の銅メダルを獲得!
馬術での日本のメダルは、1932年ロサンゼルス大会以来のまさに92年ぶりの快挙。

出典:©️FE/ Liz Gregg

この日は「初老ジャパン」が話題となり、「引退競走馬」がオリンピックでも活躍していることに注目が集まり、「引退競走馬がトレンド入り」という、これまでの日本ではなかった現象が巻き起こりました。

私もこんなことをつぶやいています。

https://x.com/EtsukoSakai/status/1817953996637917505

日本の馬の福祉は止まったままです

SNSでは少し前に「上げ馬神事」が動物虐待だとして大炎上したことがありますが
日本における馬の福祉は、世界的に見ても極端に遅れています。

私はこれまでも、時々発信しています通り
趣味で乗馬をやっており、馬術に詳しいわけでもかじってるわけでもなく
本当に趣味で乗馬クラブに通っているだけですが

それでも、日常的に馬と接してきて、思うところがあり
引退馬の支援活動を微力ながら応援しています。

これは議会でも、取り上げたことがあります。

日本維新の会の「身を切る改革」による議員報酬の一部を引退馬支援プロジェクトに寄附したり

令和5年度身を切る改革のご報告
https://sakaietsuko.net/blog/9047/

身を切る改革の寄附先紹介
https://sakaietsuko.net/blog/7671/

こうした活動から学んだことを、政策にも活かすべく
令和5年の一般質問では、ふるさと納税について質問した際
ガバメントクラウドファンディングの提案として、自身の経験にも触れています。

令和 6年3月定例会( 3月12日 一般質問)

競馬という巨大産業を前に、引退馬についてできること

競走馬を引退した馬のほとんどは行方不明。引退後の行方を追うということは業界のタブー。行方不明です。

ブランド肉などをお取り寄せすると、家系図のような代々の個体が立派に添付されていたりして、いかに大切に育てられてきたかを感じます。

個体識別番号の仕組みがすでにあるのですから、サラブレッドが行方不明になるというのは、なんとも恐ろしい響きです。

これは簡単に議論できる問題ではなく、中央競馬の馬券売り上げの10%が国庫に納付されています。
1割でも3500億円程度が一般会計に繰り入れられているのですから、大きな財源です。

「年間約6000頭ともいわれる引退馬のうち、9割が行方不明とされる」

というこの国の馬の福祉の見えなさ。

競馬という巨大産業を前に、引退馬について、私ができることは何もない。
そんな絶望感すら抱きます。

でも出来ることは何かないのかと思っていたところ、乗馬クラブの掲示板で、クラブにいた馬が北海道に移住しました、ふるさと納税で応援して下さいという貼り紙をたまたま見かけて、様々なプロジェクトがあることを知り、以来、募金や売り上げが寄付されるグッズの購入、夏場のタオル不足への不用品集めなど、本当に微力ながら出来る事を続けています。

引退馬の応援については、少し前ですが、支援団体が調べたGoogleの検索ワードのデータがあります。

1ヶ月に検索されるワードにおいて

競馬関連…350万件
乗馬…2万件

引退馬…4000件

ほとんどの人は引退馬の多くが天寿を全う出来てないことに特に関心はないという数字だと思います。

それでも、私が寄付しているプロジェクトは例年、2000人以上の人が寄付して、3800万ほど集まっていますので、続ければ変わっていくこともあると信じて続けています。

この広がりが、この国の馬の福祉前進に繋がりますように。

パリオリンピックでの初老ジャパンの活躍。
これを機に、乗馬や国内では引退競走馬も活躍する総合馬術という競技への関心が高まれば、馬への関心も高まりますし、競技人口や乗馬を楽しむ人が増えれば、馬たちのセカンドキャリアとしての活躍の場や、馬事関連に従事する人も増えるかもしれない。

パリでは日本は選出されませんでしたが

「馬術のフィギュアスケート」とも呼ばれる馬場馬術も大変話題となりました。
アリーナ内で様々な技やステップを繰り広げ、演技の正確さや美しさを競う採点競技。

何といっても、ベルサイユ宮殿を背景に音楽に合わせて華麗に演技をする「自由演技」に心奪われた人は多かったはず。

私もこれからもっと楽しみたいです!

出典:『馬旅』(http://umatabi-joba.com)
   ©️FE/ Liz Gregg