HGP通信「教育の質と環境の担保について」

◆児童生徒の教育・住環境の確保、公教育の質が 担保されているか

教員の資質向上のために

飯能市の公教育については、改善を要する点があります。ここ数年では、小学校臨時教員が酒気帯び運転で事故、教員免許失効。所沢市のマラソン大会で入れ替わり出場による失格処分と、教員のモラルが問われるニュースがありました。他の自治体でも、覚せい剤使用、児童へのわいせつ行為で逮捕されるなど、人事権のある埼玉県および現場の飯能市はしっかり対応するべきだと、以前教員だった私は指摘します。
教員の資質向上は、公務員であるという身分保障に伴う限界はあるにせよ、対策はあります。保護者の皆さんの中で、今年の担任はあたりだ、はずれだ…ということが出ます。この原因の一つは、学校を選べないことが挙げられます。例えばブロック単位で学校を選べるようにすれば、選ばれるように学校それぞれが先生の指導力、学校設備に関心を持ち、塾を前提としない学力習得、私立と同じく経営努力をすることになります。

教育にもっと民間活力を

教育関連の予算についても、民間を活用した見直しが可能です。公教育の課題を解決する上で、子育てで触れましたが、教育においても、教育バウチャーや、クーポンという、民間のサービスを活用した、低コストかつ質の高いサービス導入が可能です。
学童の実施時間では間に合わないために塾へ行く、ファミリーサポートを利用するということがあります。職場との距離によりますが、例えば都内で共働きであれば、延長を用いても保護者による時間内の迎え対応が困難だからです。民間が個別にやっている夕方以降のサービスを、このクーポンを用いて活用できれば、移動を繰り返さずに済み、コストも時間の無駄も減らせ、子どもの遊び、勉強に時間が充てられます。外部の指導員を教員として認める制度も出来ましたので、土曜や放課後を利用し、外部人材を活用して部活や勉強を習慣化することも可能です。こうした取り組みが子育て中の女性の社会復帰を後押しすることも出来ます。

先生が子どもたちと向き合える体制を

学校教員の繁忙を防ぐことも喫緊の課題です。会議や書類作成、部活動など長時間勤務の実態は、残業代という概念がないことや、情熱・熱意が優先されるなど、ブラック企業に通じる体質といえます。まずは、優先度の低い定例会議や業務、書面作成をなくし、実務も専門の要員を配置して教育に専念できる体制が必要ですね。
また熱意でがんばる教師が、余計なことをしていると肩身が狭くなる現場もあります。子どもへ最善の教育を提供する教師が報われる、閉じた評価ではない、児童生徒や保護者の意見も加味した第三者評価制度が必要と考えます。大人の事情を意識することなく、子どもに真っ直ぐ目を向ける教育が100%実施されることが促せるのではないでしょうか。

◆受動喫煙対策について

子どもの暮らす環境にタバコは必要?

屋内外を問わず、いまだタバコによる受動喫煙はなくなりません。公共施設や公共交通機関では、禁煙が大半となりましたが、路上や屋内の集客施設では不完全な分煙の実態があります。オリンピック目前、インバウントや観光客誘致に力を入れたい飯能市であれば、先進国のWHOタバコ規制枠組み条約を完全履行、オリンピック実施都市基準を満たして当然なのです。このタバコ規制基準は、日本では健康を損なう可能性という表現ですが、海外では健康を害する、寿命を縮めるというもので、子どもなど毒物感受性の高い世代には重要です。厚生労働省が、健康増進法を改め、子どものいないバースナックをのぞき、必要な措置を義務化、全面禁煙をということも出てきましたが、まだ予断を許しません。

なぜ受動喫煙防止が進まないか

飯能市は、タバコの受動喫煙対策は非常に遅れています。所沢市には路上喫煙防止条例が、狭山市には路上喫煙禁止地区指定があります。行田市では禁煙治療の助成も行われています。喫煙人口の減少を進めない以上、対策はないに等しいです。路上喫煙防止は、人口過密の都会の自治体だけでなく、住宅地や郊外の駅近郊でも対応されているのです。これは、その自治体の本気度の現れです。飯能市にはタバコへの取り組みがありません。市にはタバコ税が貴重な税収だとも言われますが、これは販売業者と行政の意見。タバコを吸わない人はもちろん、喫煙者でもモラルマナーを守っている人は、そうは言いません。自治体経済に配慮という考えは、1970年代公害問題がひどかった時の「経済調和条項」と同じく、経済や税収優先では環境問題が長引きます。
「健康3倍はんのう」であるためには、生活の質を損ない、循環器疾患などリスクの高いタバコに対し対策をせねばなりません。所沢市では路上に禁煙のマークを貼っていますし、より厳しい自治体では、過料という罰金を設けて、一気に受動喫煙撲滅に動いています。モラルマナーでは対応が進まない部分については、そうした対応ができるよう、受動喫煙を防止する条例制定、喫煙者を減らす禁煙治療助成制度創設など、住んで健康になる自治体、飯能にしたいですね。子どもが健康に暮らせるまちは、あらゆる世代が健康に暮らせるまちなのです。