HGP通信【健康3倍はんのう】

◆健康3倍はんのう
◆健康サロンの経営実績から、体操事業・食生活改善を取り入れ、健康寿命を延ばす。

医療福祉への支出増は限界点

飯能市が実務を運営している、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療ともに、当然ながらサービスは存在し、一見して問題なく運営できているように思えます。しかし、実態は危険水準にあります。
市民の皆さんが納税する市民税から、それぞれにお金を移して(繰入金といいます)帳尻を合わせての運営であり、それぞれ単独の国民健康保険税、介護保険料、後期高齢者医療保険料では賄えていません。もちろん他の自治体でも繰入金は一定ありますが、市の基金も減額一辺倒、予算の一定規模を占める飯能市は対策が急務です。
保険税や保険料の値上げは、当然ながら最終手段ですが、そもそも医療費やサービスの支払いが増えたから繰入増やしますというのも、本来通用しません。どうやって支出の伸びを減らすか、効率的・効果的な削減策模索が一切ないところが問題です。
市の健康事業についても、支出減につながっておらず、削減につなげる視点で、未受診者の傾向つかむ、健康事業強化につなげるといった方向性がない時点で、財政硬直化が進むばかりです。今後、国の制度でデータヘルスという制度が始まりますが、今までの状態から考えて、実施後の改善は期待できません。
実態ですが、民間企業では休職の方などを除き100%に近い健康診断受診率、飯能では特定健康診査受診率29年度60%と、かなり低い達成目標です。特定保健指導実施率も現状10.4%と埼玉の自治体平均の3割未満。
禁煙の指導も国民健康保険での特定保健指導しかなく、具体的対策がなく、健康改善効果は望めません。民間の健康保険組合は、保健事業が総予算の5%を超えるところも多く、かなり努力を続けていますが、飯能市は予算のわずか2%少々です。
民間企業の健康保険では、予算の半分を国に取られる制度の問題から、かなり早期より医療費抑制策が進んでいます。そうした先例が多々ある中で、飯能市は国民健康保険特別会計の予算で、一般会計(市民税)からの繰入金を増やすとしています。民間企業で働く市民の皆さんにとっては、払った税金が自分たちのために使われず、非効率な結果の補てんに使われるのは納得いかないでしょう。

未病対策

飯能市健康のまちづくり計画も、健康寿命の延伸とありますが、具体的な成果目標がありません。例えば、肥満傾向の人の割合を減らす、山登りハイキングウオーキング、グラウンドゴルフ大会など、単発の事業では1年間の健康は手に入らないのです。
日常生活上の不自由は、実は自覚なく早くから出現しており、生活スタイルから全身のあらゆる機能が低下する、生活不活発病の進行、つまり病状や要介護度の進んだ状態になりやすくなっています。心肺機能低下は低血圧に、消化力低下で食欲不振になります。動かないので、循環器機能の低下で血液量減少と脱水、関節硬化でさらに動かず筋力低下や骨や皮膚の萎縮、血栓の発生、症状悪化でさらに動けない、食べない、座りきり、寝たきりに進みます。
多くの人が、健康に不安を感じ、運動や食事の重要性を感じていても、本人だけでは改善できないからこそ、対策が必要なのです。単発事業で、後は自助に任せるのではなく、サポートが必要です。
病気になったから、介護状態になったから制度使っていいよというのは、行政の怠慢です。健康ではないけど、病気でもない、自覚症状はないけど健診値に問題がある状態を指す「未病(予防医学)」の段階で健康を取り戻すことが必要です。それにより、慢性疾患や要介護で苦しむ人の母数が減り、保険税保険料の増額も抑えられ、必要な人への手厚い支援が可能になるのではないでしょうか。

健康3倍はんのう

私が、10年間健康サロンの経営してきてわかること。
それは反復継続した運動・身体づくり、食事で健康長寿になることです。簡単な運動なら毎日、負荷をかけるトレーニングなら週2~3と続けることで、高齢の方でも骨も筋力も内臓も鍛えられ、元気に自活ができます。元気であれば、食事も進みますので、たんぱく質など体をつくる栄養分を多くとり、炭水化物などエネルギー中心の食事を少なめにして、脂肪、糖分、塩分を減らします。
運動習慣のある方、それを楽しんでおられる方は本当にお元気で輝いています。この10年で確実に運動習慣のある方の身体、見た目の若々しさ、お気持ちのアクティブさが10歳まるごと若返っておられると実感しています。今後、運動習慣のあるなし、ちょっとしたきっかけや苦手意識から、健康格差が広がることなく、健康元気で毎日をイキイキとアクティブに輝いている方が増えたら、飯能市は変わると本当にそう感じています。
民間のフィットネス事業者や介護事業者など法人に委託し、健康診断カルテを活用した市内の民間施設利用や、理学療法士がスポーツジムで委託事業を行う、公民館への「定期」出前講座を行うことのほか、料理教室運営法人を活用して、自炊健康食も進めたいですね。民業圧迫にもならず、住み分けもできます。禁煙治療についても、助成金を出して禁煙を進めることで循環器系疾患の発症、進行を抑制して長く健康に暮らせることが期待できます。

要介護状態の健康については、和光市で優れた制度があります。国策として一定進むようですが、率先して対応するべきですね。概略は、一度要介護・要支援状態となっても、きめ細かいケアプラン、仲間たちとの楽しいトレーニング等々を駆使し、40%は介護サービスから卒業しているのです。介護対象から外れても、ケアを充実することで再度介護状態になる不安を取り除き、健康長寿を達成します。介護も、更なる繰入金を防ぎつつ、必要な方へ重点的に、居宅介護の限界点を高める24時間巡回型サービス等を提供できるようになればいいですね。
和光市では、要介護(要支援)認定率の推移が、埼玉県平均14.3%のところ9.4% !さらに低下傾向にあるとのこと。飯能市でも健康3倍を合言葉に、健康長寿、財政健全化ともに改善をしていきたいですね。予防事業は地域全体の活動支援にもつながります。
人々が健康になることは、大きな可能性を秘めているのです。