令和4年9月7日(水)議案質疑

令和4年9月7日(水)議案質疑

【議案第47号】
令和4年度飯能市一般会計補正予算(4号)
第2表 債務負担行為 美杉台小学校校増築校舎借料にかかわる、財政負担のあり方について

美杉台小学校の校舎増築について、全員協議会で報告された資料によりますと、令和6年度から9年度まで教室が不足するとあります。
児童増は一時的ということで、過度な財政負担を発生させないためと、従来の手法による建設ではなく、リース物件での校舎増築を選択したとしています。
そこで、本補正予算案において普通教室2階建て4室分のリース費用は、令和4年度から10年度まで、限度額2億7千万円の債務負担行為を設定しています。

賛否を判断するにあたりまして、前提としてどのような財政負担の検討を行ったのでしょうか。

単独事業で通常の校舎建設ですと、補助率2分の1などの国庫補助金の活用が可能ですが、補助金活用の場合とのコスト比較はどのような結果となっているのでしょうか。

リース物件は期間満了後は解体なのか、令和10年時点での利活用も視野に入れているのか、補助金ではなくリースを選択した理由について教えてください。

【答弁概要】

1 検討の経緯、検討項目について
美杉台小学校校舎の増築については、本市では初めてリース契約の手法による施設整備となることから、これまでの経緯を含め、少々お時間をいただきご答弁申し上げる。

まず、美杉台小学校では、5年程前の平成29年度頃から、美杉台6丁目、7丁目及び茜台地区の住宅開発等に伴い児童が増加し始め、このままでは、将来、教室が不足する可能性が生じてきたことから、その対応策について検討してきた。
その対応策として、①既存校舎の改修により教室数を確保するハード面での整備と、②隣接する南高麗小学校への通学制度の導入について、庁内議論はもとより、保護者や地域住民の皆様とも協議してきた。
しかし、国による法律改正により、令和3年度から35人学級制が全国に導入され(埼玉県では、先行して1、2年生で35人学級制を導入していた。)、1クラス分の児童数が減少するが、仮に、美杉台小学校区から南高麗小学校に通学できるようにしたとしても、一つの学年から1クラス分の児童が通学するようになるかについては不透明であること、また、保護者からは慎重に進めていただきたい旨のご意見もいただたことなどから、美杉台小学校区から南高麗小学校への通学については、今後の検討課題とさせていただくこととした。

次に、美杉台小学校の校舎増築の整備手法等についてどのような検討をしてきたかご答弁申し上げる。
検討項目としては、一つ目として、児童数の増加による教室不足が生じる期間について、二つ目として、増築が必要となる校舎の施設規模、構造等について、三つ目として、国庫負担金を活用した設計、工事による従来どおりの整備手法の場合と、近年、県内でも事例が増えてきているリース契約による整備手法の場合の費用の比較について、四つ目として、児童数が減少に転じ増築した教室を必要としなくなった後の利活用について、五つ目として、他の自治体のリース契約による施設整備手法の事例などについて、調査、検討してきた。

2 検討内容について
(1)児童数の増加による教室不足が生じる期間について
児童数の増加により教室不足となるのは、現時点で令和6年度から令和9年度までの4年間で、その後は、児童数が減少傾向に転じ、既存の校舎で教室数が賄える見通し。しかし、転入転出といった社会増減については、確実に見込むことができないことから、増築した後、直ちに不足が生じないようにしなければならない。
(2)増築校舎の施設規模、構造等について
ア 教室数
まず、教室数については、児童数の今後の推計から少なくとも普通教室3室が不足する見込みであること、また、今後、数人の児童が転入すると1クラス増やさなければならない学年が現にあることを考慮して、普通教室4室分の増築が必要と判断。
イ 増築(配置)場所
次に、増築(配置)場所としては、学校現場の意見を踏まえ、可能な限り現在の学校運営に影響を及ぼさないよう、元々、校舎の増築スペースとして想定しており、現在、田んぼとして利用している北棟西側のスペースとすることが最適。なお、田んぼについては、応援ボランティアの方などと協議をしながら移設していく考え。
ウ 増築施設規模、構造
現在、田んぼとして利用している北棟西側のスペースに施設整備を行うとした場合、現在の建築基準等に適合させるため、エレベーターや多機能トイレを含めたトイレを設置する必要があり、延べ床面積は約500㎡程度が必要となり、2階建ての建物となる。
また、建物の構造については、一時的な児童増加に対応できる建物であれば足りることから、約50年の耐用年数となる鉄筋コンクリート造の必要はなく、20年程度の耐用年数である軽量鉄骨造で十分と判断。

(3)従来の整備手法とリース契約による整備手法の費用比較について
先ほどご答弁申し上げた教室不足を生じる期間、必要となる教室数、建物の配置場所、構造、設備、規模等の前提条件のもと、設計や工事に係る経費、補助金の活用などについて、従来の整備手法とリース契約による整備手法について、費用(コスト)面と教室不足が解消された後の施設の利活用について比較検討した。

ア 従来の整備手法による経費について
従来の設計、工事、監理、そして黒板、学習机などの教育備品などを市が発注する場合、約3億円の経費が必要となるが、来年度の予算に工事費を見積もるとなると、今後の社会情勢により、建築資材、人件費等の経費が上昇することも踏まえた積算が必要になり、3億円以上の経費が生じかねない。
国庫負担金(公立学校施設整備負担金)により、国が対象経費の最大1/2までを負担することとなっているが、負担金の算出基礎である児童一人当たりの基準面積と増加児童数などを基に試算すると、概算で1千5百万円から2千万円程度の額にしかならない見込み。

イ リース契約による整備手法による経費について
一方、それらをリースで行った場合では、リース期間満了後に取り壊さず、無償で譲渡されることを前提として、数社からの見積とヒアリングなどをもとに、平均額から2億7千万円の経費であると見込んだ。しかし、リースの場合は、国庫負担金の対象とならない。
また、リース契約での校舎というと、工事期間中の仮設校舎などがイメージされやすいが、今回は、本設の校舎であり、断熱性や耐震性など十分に備えた安全な建物で耐用年数は20年程度で、内装、黒板、ロッカー、学習机などの必要な教育備品もリース費用に含まれており、既存の校舎と遜色ない仕様となる。

(4)児童数が減少に転じ増築した教室を必要としなくなった後の利活用について
国庫負担金を活用した従来の整備手法の場合、教室不足が解消され、教室としての用途を、例えば放課後児童クラブなどに変更する場合、学校施設関係補助金等の耐用年数(鉄骨造34年)の残期間に応じて、負担金を返還しなければならないという制限が付いてくる。
しかし、リース契約による整備手法ならば、国庫負担金等を活用せず一般財源で対応することから、教室不足が解消された後、用途を変更した弾力的な利活用が可能となる。

(5)他の自治体の事例について
リースでの校舎増築は、全国的にも事例があり、児童急増に伴う教室不足への対応手法として、ここ10年程の間に、埼玉県内では、さいたま市、川口市、越谷市をはじめ、近隣の東松山市、入間市、坂戸市、滑川町など15の市町で採用事例がある。

3 まとめ
以上の比較検討を踏まえ、今回の校舎増築においては、国庫負担金を活用して市が設計、工事、監理、備品購入などを直接発注し整備する手法と、国庫負担金を活用できないがリース契約により整備する手法とでは、費用(コスト)面、教室不足が解消された後の施設の弾力的な利活用面から、リース契約による整備手法の方がメリットが大きいと判断した。

認定第1号
令和3年度飯能市一般会計歳入歳出決算に認定について

から2点おうかがいします。

1 財政関連指数について
①悪化した数値について、どのように考えているか
②決算の指数を財政運営にどのように反映させていくのか。

本決算から、様々財政指標が示されております。これらの指標を、前年度と比較しますと、数値が良くなっているもの、悪くなっているものがあり、それぞれの数値から財政状況を読み取ることができるわけですが、
指標が良くなっているものは、成果が表れているものと考えます。そこで、悪化した数値についてうかがいます。

単純に悪化した数値はいつくかありますが、注視すべきものはどことお考えでしょうか。また悪化した数値について、その要因等、どのように捉えておられるでしょうか。
次に、今回得られた数値から、今後どのように財政運営に反映していくのかについて、お聞かせください

【答弁概要】

①悪化した数値についてどのように考えているか。
令和3年度に悪化した財政指標の中で、注視しているものは、実質公債費比率と地方債現在高。

実質公債費比率は、財政規模に対する公債費(元利償還金)の占める割合のことで、この数値が高いほど、財政の資金繰りが厳しいことを表す指標。

令和3年度は4.2%で、前年度対比で、0.6ポイント増となった。この数値が高くなることは、財政の弾力性が低くなることにつながると捉えている。

地方債現在高については、一般会計において令和3年度末では、約302億円で令和2年度末と比較すると、3億8,000万円の増額。

②決算の指数を財政運営にどのように映させていくのか。

まず、実質公債費比率については、この指標の算定方法は、過去3か年の平均値となっている。令和3年度は令和元年度から令和3年度までの数値で算定。
先ほど、この数値、3か年の平均は高くなったという答弁をしたが、これを単年度で比較すると、令和3年度は、令和2年度よりも、「改善」している状況。
つまり、この数値が悪化した理由は、入れ替わった平成30年度と令和3年度の数値に開きがあったためで、いわゆる「数字のマジック」と感じている。

いずれにしても、令和3年度の実質公債費比率は悪化となったが、その基礎数値である、令和3年度の単年度の数値は改善している。

また、地方債現在高については、令和3年度決算においては、一般会計では302億円、全会計の総計はおよそ462億円、一人あたり58万9,000円となったが、令和4年度9月補正後ベースでは450億円、一人あたり57万4,000円と、減額になる。

引き続き、市長公約の1つである借金の軽減に向け、地方債の抑制に取り組んでいく。

2款総務費 1項総務管理費 20目市民会館費について

市民会館費については、12の自主事業が実施され、大ホールでのコンサート、ライブ、落語会など
の催しについて、コロナ対策で座席数が定員の半分以下にした等の記載がありました。

文化芸術の分野は大変コロナ禍の影響を受けたところであり、しかしながら市民生活にとって大切なものであるという視点で見てみますと、入場者数が著しく少ない催しもあり、全体として利用がかなり落ち込んでいる数字となっています。

自主事業を行うための各委託料と、市民会館運営に係る各委託料等の支出と、自主事業による歳入をみる限り、収支差がかなりあり、市の直営として市民会館を運営し、自主事業を行っていく中で、市で事業継続が必要か否か、見ていく必要がある点など、改善点について、どのようにお考えでしょうか。

【答弁概要】

市民会館では、市民等に文化・芸術の発表の場を提供するなどの貸館事業と、身近かに芸術と触れる機会をご提供する自主事業とを行っております。

議員お質しのとおり、全国的に、スポーツ観戦、コンサート、映画、芸術鑑賞など、観客を入れて行うイベント等については、緊急事態宣言等により、大きな打撃を受けたところで、本市の市民会館についても同様に、開催中止や、開催する場合においても、座席数の削減を行わなければならないなど、コロナ禍により年間の入場者数も大きく減少したところでございます。

このうち自主事業における入場者数、チケット売り上げ等を、それぞれコロナ禍の影響を受けていない平成30年度と比較いたしますと、入場者数で約82%の減、チケット売り上げ等で約61.6%の減となっており、徐々に回復してきているとはいえ、大変厳しい状況となっております。

自主事業についての改善点というお質しでございますが、引き続きコロナ対策を徹底し、より市民のニーズに即した、集客力のある催し物を計画してまいりたいと考えております。

そのため、主催事業の内容につきましても、そのチケット金額と合わせまして、良いものを安価にご提供できますよう、日々研究して居るところではございますが、より集客力の高い催し物については、仕入れ価格も高額となっていることから、近隣市の状況や事業者からの情報を注視し、市民満足度の高い催し物を開催できるよう検討してまいります。
また、併せて経費の削減にも努め、収支のバランスをさらに健全なものとしたいと考えており、これらにより、運営状況の改善に全力で取り組んでまいりますので、ご理解賜りたいと存じます。

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