令和2年9月定例会。
最終日は、2議案に討論通告を提出し、討論いたしました。
総務教育委員会で反対の立場から討論した「認定第1号 令和元年度飯能市一般会計歳入歳出決算の認定について」と合わせ、3議案に反対の意思を表明しました。
以下、討論内容です。
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認定第8号 令和元年度 飯能市 後期高齢者医療特別会計 歳入歳出決算
平成30年度と比較し、歳出は7%弱増えており、広域連合への納付金が増える結果となりました。予算現額と比較すれば減額となったものの内閣府の社会保障の将来見通しでは、後期高齢者医療制度の保険料は 令和7年時点ですでに負担増となり、令和22年度には4割ほど増え 8千円台となる見通しが試算で示されています。
後年度負担は、被保険者の保険料、市財政、民間の健康保険組合の 後期高齢者医療制度について、市独自での医療費対策も可能であり、先進自治体では市区町村が独自に行う健診項目を同時受診できるものの、飯能市ではそうした実績が示されておりません。後期高齢者医療と介護保険データを個人単位で連結し、健康への取り組みを活性化する事例もありません。75歳到達者に制度加入とあわせて健康チェックリストを送付して対策を進めたとの報告もみられませんでした。
高額医療になる糖尿病性腎症の重症化についても介入による維持や改善策も実施がなく、高齢化に伴う疾病のリスク対策について、令和元年度主要な施策の成果説明書の一般会計の保険年金課及び本特別会計での事業の主な内容及び成果において、市の一般会計や特別会計を含む既存の健康に関する事業に効果の記載がなく、新たな支援制度や、広域連合への効果を見込める提言も見られません。
健康診査受診率の経年推移の記載ではなく、受診者数が記載され、広域連合の事業だとして先進自治体レベルの受診率達成など、改革を進めませんでした。
厚生労働省の方針である、市町村と適切な役割分担のもと、互いに連携して保健事業を推進というところがなく、広域連合への支出抑制の寄与がみられなかった本決算について、反対の立場から見解を申し上げ、討論とさせていただきます。
認定第9号 令和元年度 飯能市 訪問看護ステーション特別会計 歳入歳出決算
平成30年度と比較し、歳入における繰入金は年度内の補正予算でさらに割合が悪化して6割弱に達し、歳入の構成比が前年度同様バランスを欠いており、事業運営はさらに悪化しています。歳出の総務費と事業費の構成比も全く改善しておりません。歳出の総務管理費と歳入の訪問看護収入、経費を踏まえた収入も確保できておりません。事業費は予算と比較して執行率は6割と、常設サービスを行う特別会計の事業自体が予定を大きく割り込んだことが分かります。
事業成果を確認すると、利用件数は平成30年度と比較し、訪問件数が3割弱減、ケアプラン作成も1割強減となりました。訪問件数その他の総利用件数は約500件減少の約1300件にとどまり、平日の年間営業日で見れば1日の稼働が10件を下回る結果となっております。サービスの提供手法としては持続可能な構造とはいえず、各年度の予算及び決算で述べてきたように、市が運営を継続する必要本当にがあるのか、現状の在り方でよいのか、どういった改善策があるのか、緊急に検討が必要です。
在宅看護及び介護については民間に広く開かれており、民間が担えば今の繰入金を下回る経費で、充分訪問看護事業が成り立つという可能性は、あります。
介護の充実及び相談体制は公営であることが必須条件ではなく、相互扶助の域を超えた繰入金を投入することなく、利用を希望する市民へ訪問看護及び介護サービスを提供することが必須であるということを前提に考えるべきだということが分かる決算です。
可能な限りの改善策の模索がされなかった結果が今回の決算であり、賛成することが極めて困難であると指摘を申し上げまして、反対の立場からの討論とさせていただきます。