女性議員が必要な理由は「●●の自覚」

政治を志してみようかな…と思う女性が増えればいいなと思って、聞いてほしい言葉を一方的につれづれに綴ります。

【女性議員が必要な理由は「●●の自覚」

前回の投稿で、男女の外見に対する意識の違いについて

脳科学的には

男性は意識の奥底で
「資源(お金や権力など)をいかに多く持つか」で自分の価値が決まることを知っているので、見た目は優先順位がその次になる。

対して女性は、「若さと健康」が繁殖能力や自分の評価、女としての価値に直結するため、どうしても外見を気にしてしまう。

などと説明されることについて書きました。

現在、地方議員として「超おじさん社会」にいる私ですが
議員になる前は、女子校環境純粋培養。

女子高校の教諭に始まり
女性の圧倒的に多い職場や職種を渡り歩いて

自分で作った会社も、女性に特化した事業。
社長(私)もスタッフもお客さんも女性だけ

女性専用・女性限定の

「オンナの園」

で、仕事をしてきました。

今日は、私の経験した事例を織り込みながら

「超おじさん社会」と「オンナの園」の決定的な違いについて書いてみます。

【加齢の自覚のない男性】

脳科学的に、男性は自分の評価は資産であって、外見ではないと認識している。
ゆえに、少々お腹が出てきても、しわやたるみが出てきても、
自己補正してしまって、若い時の自分から変化していることに、気が付かず、気にも留めていない。

だから、昔の写真をプロフィール写真に使い続けて20年くらい前の顔でも
特に問題を感じていないのではないか。

これは、写真に限らず、実際にあちこちで見られます。

数年前、実父が屋根から落ちて、腰を骨折の重傷、今も要介護生活です。
自宅の屋根のペンキ塗りをしていたそうです。

これまでも、庭木の剪定をしていて、脚立から落ちて、日常生活に支障をきたしたり
処分される犬を引き取って、獰猛な犬を3頭、腰にリードを巻き付けて散歩に連れて行って
あっさり引きずられて大怪我をしたり

まさに「加齢の自覚」のない父です。

異常気象が懸念される昨今

台風で暴風雨の中、様子を見に行って流された、
屋根の雪下ろしで落下した、

といったニュースも残念ながら多く目にするようになりましたが
印象として、高齢の男性が多い気がします。

高齢者が車を運転して、事故を起こしたというニュースも同じく男性が多い印象。
女性より男性の方が、運転がお得意な方が多いと思われるのですが

このあたりも、若い時とは違うんだという、加齢に対する自覚と危機感の差かも知れないと考えられます。

これは、脳の仕組みに加えて
男性は、わざわざ自ら進んで、自分がトシとって衰えてるんだ、と危機感を持つ状況や、否応なしに年齢を認めざるを得ない状況が、女性よりも圧倒的に少ないのかも知れません。

思えば、

「社会人になっても毎週、必ず少年ジャンプを買う」

同僚がいて
売り切れないようコンビニでジャンプとコーヒー買ってから出勤してましたが
それに何か指摘する人も皆無なら

「中学の時から同じ美容室に通っている」

という、かなりすごい事業実績をお持ちの男性社長が

「でも最近、客層が変わってきてさ。若い子が多くてギャルみたいな子も来るんだよ」

と、疑いもせず話していても

「それは客層が変わったんじゃなくて、あなたがトシをとったんです」

とツッコむ人もいませんでした。

これが女子なら恐ろしいことです。

20代、仕事で認められたいと、寝食を忘れて肩肘張ってたころ
大丈夫かな、間違ってないかな、と一抹の不安を感じながらも着ていった服を

後輩女子から

「坂井さんが、白髪染めのケープみたいな服着ててイタイ」

と言われてたと聞いてしまって
本気で転職を考えたり、

変化が速すぎてついていけない分野について
若手に教えてもらうことも出てくるようになって

感じよく、仲良く教えてもらったその日の夜
彼女のSNSに

「姉ぇさんに●●を教えたけど、わりと物覚えがよくて楽だったよ!」

と書いてあるのを見てしまって
やっぱり転職を考えたり(笑)

若いころは、私も人並みに悩みました。

【若さを謳歌する前に加齢を自覚する女性】

女性は、ものすごく「加齢」を自覚している方が多いです。
私が運営していた女性専用フィットネスジムは
中高年~後期高齢者の方がお客さんの中心でした。

みなさん、健康への意識がとにかく高くて、
筋力が衰えて、歩けなくなることへの危機感もあって、
具体的な目標を持って、
とっても熱心に運動をされていました。

キープするだけでも、努力が必要。
さらに良くするためには、継続が必要。

すごく真面目に、美容健康に向き合っておられるのです。

それは、決して若さを失うことが諦められないからではなく、むしろすごく、自分が年齢を重ねて、若いころとは違うんだということを、厳しく自覚しておられるからなのです。

やはり女性は、骨が弱るということもあり、
高齢になってから、骨折したり、筋肉や筋、腱などを痛めると
なかなか治らないし、前と同じようにはならないので、そのあたりには本当に慎重。

実際、ちょっと転んだら骨折して、寝たきりになったとたんに、がっくり弱ってしまうという話は、良く聞きます。

みなさんの合言葉は

「転んだら終わり」
「過ぎたるは及ばざるが如し」

なんとも謙虚な「加齢の自覚」です。

女性は、若いと言われるのは22~23歳くらいまで。
24、25歳のお嬢さんでも、若さにすがるのはやめて、自分を見つめ直して生き方を変えていきますし
三十路の壁は、一見軽く超えているようでも、実は20代後半から、みんなすごく準備して30代を迎えています。

35歳過ぎたら、母子手帳にハンコこそ押されなくなりましたが、れっきとした高齢出産。
初産の35歳以上の妊婦は、母親学級も別講座の受講が義務付けられることもあります。
実際に妊娠の確率も下がり、流産や出産時のリスクも高まります。

40代にいたっては、必死で、お肌も髪も爪も歯も目も胃腸も子宮も、とにかくケアしなければ、崖を転がり落ちるように、老化の波にのまれていきます。
出産経験のある女性は尚更、この現象が顕著だとも聞きます。

そして、更年期です。

このように、本人の望む望まざるに関わらず、自分の年齢を意識する機会が多い女性は
もしかすると必要以上に加齢を自覚してしまっているのかも知れません。

必要以上に。

そう感じることも沢山ありました。

アルバイトを募集すると、「21歳・現役キャバ嬢」という肩書をもつ女性から応募があるのです。
接客業のプロ、会話が上手。何よりルックスも抜群!

うちは時間給も安かったので、
「なぜアルバイトしたいんですか?」と聞くと

「今の仕事は若いうちだけなんで、昼間の仕事をしていかないといけないんです。そのためのリハビリじゃないですけど、なるべく健康的で、女性に認められる仕事をしたいんです。」

と、切実に話すわけです。

まばゆいばかりの若さと美しさを持つ女性が、既に若さに決別している姿は
切なくもあり
潔くもあり。

結果的には、こうした意識の積み重ねが、自分の加齢を現実的に受け入れて、長い目で、元気でキレイでいられる努力につながるのでしょう。

【でも、それでもいつまでも女性】

年齢を気にするより、武器にもできる機会が多い男性と根本的に異なり、女性は自分の年齢の自覚にとっても繊細です。
若さに決別している女性であっても、いつまでも出来るだけ若く美しくありたい。
この気持ちは変わりません。

これも議員になる前ですが
「介護保険のデイサービス」であるフィットネスを見学させていただいたことがありました。

介護保険適用の方々ですから、みなさん、高齢で支援や介護が必要です。

念入りな準備体操をし、筋トレをし、脳トレをし、一通り終えたところで指導員さんが
「では他に、特にやりたい運動はありますか?」とリクエストを募ると
「お腹を引っ込めたい」「お尻を小さくしたい」といった答えがあちこちから。

女性の美容健康への気持ちは、どこまでも変わらないのです。

(この経験は、後に私を議員の道へ動かしたと思いますが、それはまた別に書きます)

【女性には急がないといけない理由がある】

よく「女性議員が増えるとよい」とあちこちで言われる昨今ですが
なぜ増やしたいのでしょう?

女性の時代だ、女性議員を増やすべきだ、女性候補者を擁立しよう!

言われるたびに、なぜでしょう?と考えてきました。

選挙で女性候補は少なくて有利だから?
女性目線の政策立案ができるから?
人々の目線で細やかに寄り添えるから?
少子高齢化のため?
女性議員がいると印象がいいから?

女性だとか、子育て中という属性だけで
これほどPRポイント、プロフィールの特記事項になるのは
今や政治の世界だけではないかと思われるくらいですので

やはり、変えていく必要はあります。

ただし、多くの「女性議員をふやそう」という声は
選挙に擁立することや、当選させることを指すことが多く

その後の女性議員の本来の活動における評価はまだまだ未開地です。

政治家一族、支持母体があるなど
しっかり支えてくれる組織がある場合は、当選後の活動も支えられていますが
その支えている人たちに男性が多ければ、やはり男性の意向が反映されます。

そうでない場合
では自由に活躍できて、女性目線の政策実現ができるかと言えば

壮絶なハラスメントや差別的扱い
「しかも女」に対する強烈なアレルギーを目の当たりにすることが

正直、確率的には圧倒的に高いです。

本音の本音、当選後しっかりフォローしてくれる組織でないなら
無責任に女性に対して立候補をすすめるなんてことは

今の私にはできません。

それでも、必要だなと思うのは
私たち女性には急がないといけない理由があるということです。

女性は哀しいまでに、加齢を自覚して生きている。
男性と、年齢を重ねることの感覚が根本的に違う。

これは、今の時代に最も重要なポイントです。

選挙の応援演説で

「1期目2期目なんて、何もさせてもらえません!
本当に予算をもってこれるのは3期目から!
だから彼を当選させないと、予算の獲得ができなくなる!」

とか、本気で叫んでいるのをよく聞きます。

同年代の若手議員から

「坂井さんは政治がわかってなさすぎる。正直、そんな人は議員を辞めてもらいたい。
俺たちだって、このままでいいとは思っていない。だから1期目2期目に賢くやって役をとって
力を付けて反乱を起こすよ、俺たちは。」

ということを言われたこともあります。

3期目って任期4年で12年です。

オギャーと産まれた新生児が、小学校を卒業して思春期です。
おむつクーポンや保育園に入れる支援が必要だったのが、塾代のクーポンや家庭の経済力に関係なく教育を受けられる支援が必要になってます。

今年二十歳のお嬢さんが32歳です。就職や働き方の選択肢から、結婚・妊娠出産と仕事のバランスについて、もしくは独身でキャリアを築いていたら、出産のタイムリミットを意識し始めるころです。

「あなたに託して、12年は待てません」と、私なら思います。

私の次の年女は還暦なんです。

よくも悪くも、女性の加齢の自覚、年齢を重ねることの感覚は
今、私が断言できる唯一の「女性議員を増やす必要がある理由」でもあります。

もし、これは託して待てないな…と思ったら
人生で一番若い日である今日が吉日?(笑)

ぜひ仲間に入ってください。

坂井えつこメールフォーム
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