議長不信任決議(案)を議員提出しました

【議長不信任決議(案)を賛同者として提出しました】

令和3年2月12日(金)、飯能市議会3月定例会が開会。
金子議員が提案者である、平沼弘議長不信任決議(案)を、賛同者として提出しました。

令和3年1月26日に開催された各派代表者会議において、令和3年3月議会での一般質問をしないことを多数で決定したことは、議長の権限を著しく逸脱した行為であり、認められるものではないという理由によるものです。

また、近隣自治体はほぼ実施の状況を踏まえ、飯能市議会は責務を放棄した判断であることが明確化されており、一般質問は実施するべきだと判断しました。
★2月9日調査時で埼玉県内63市町村中、一般質問を行わないことを決めたのは飯能市議会のみ

内容は、

議長は、「新型コロナウイルス感染予防のために、計画されているワクチン接種の準備作業に、議会として協力できることとして、3月議会での一般質問を行わない」ことを提案し、日本共産党、日本維新の会の会派代表から同意が得られないとし、多数決で強行した。

議長の権限を定めた地方自治法第104条では、議長の権限を「議場の秩序を保持し、議事を整理し、議会の事務を統理する」ことであり、議員固有の権利である「市政に対する一般質問」を行わないことは認められておらず、提案すること自体が権限を逸脱した行為である。

そもそも、各派代表者会議は、議会運営をスムーズに運営するためのもので、法的拘束力も権限もなく、異論がある問題を多数で決定するところではない。ましてや議員の質問権を奪うことはできないのは当然である。多数決で強行したことは断じて認められない。

というもので、一般質問を行わないという提案に対し、意見を述べ、明確に反対した日本維新の会会派として、この決議案に賛同しない論点はありませんでした。

議員として重要な一般質問の権利を奪ったことは、二元代表制の一翼を担う議会の責務を放棄したことに他なりません。

以上のことから、平沼弘議長不信任決議(案)を提出し、その責任を問いました。

動議は成立、不信任決議案は日程に追加され、質疑、討論の後、賛成の議員による起立採決がとられました。

野田議員から、
「この不信任決議案の意図が全く理解できない。昨年11月から市内の新型コロナウイルス感染者数が急増する中、議会として何が出来るか考えると、最も重要なことはワクチン接種である。その為には、職員の負担を軽減することが最優先されるべきで、議会の会期は短縮すべきである。
3月議会は大変重要な議案が多数あり、二元代表制の一翼を担う議会として、優先順位を熟慮した上での英断であり、議員の質問権は奪われていない。コロナ禍で市民の命を最優先と考えず、一般質問にこだわり、このような提案、賛同をした5名の議員を、同僚議員として許すわけにはいかない。」

といった旨の反対討論があり、

山田議員から、
ワクチン接種は全国全ての自治体で同じように準備が進められており、それを理由に一般質問を行わないとした自治体は、現時点では飯能市のみであること。隣接する日高市でも、同様の提案はあったが、最終的には議員個人の意思が尊重される結論を出していることなどを事例に、

上記提案内容と理由による賛成討論がありました。

起立は5名、起立少数で否決となりました。

飯能市議会における議長の不信任決議案は、昭和58年9月議会以来であり、近隣自治体と比較しても、優先順位などと言う多数派の主観的判断によって一般質問放棄を容認する議長を看過できず、慎重に熟慮した結論として、意思を表明しました。

今回の経緯を、時系列でご説明するとともに、私の見解もお伝えします。

代表者会議を前に、平沼議長から携帯に電話があり、ワクチン接種の準備作業に執行部・市職員が専念できるよう、3月議会における委員会審査に必要な現地視察の中止と、一般質問を行わないという提案について
議長に一任いただけるかといった趣旨を問われました。

委員会現地視察の中止については、賛同。
一般質問を行わないという提案については、時間短縮等の協力はするが、行う考えである旨を伝えました。

議長からは、代表者会議でその旨発言してくださいといった趣旨の回答がありました。

1月26日に開催された代表者会議では、ワクチン接種準備のスケジュールや関連する新聞記事のコピーなどと共に一般質問が入っていない会期日程(案)が突然配付され、

命にかかわる重要なことなので、この日程にご賛同いただきたいといった趣旨の説明があり

・共産党(金子議員、新井議員、山田議員、滝沢議員)
・日本維新の会(坂井一人会派)
の、2会派以外

・みどりの会(平沼議長、野田議員、砂長議員、加藤議員)
・清風会(現在は会派所属議員の辞職により消滅・鳥居議員)
・公明党(中元議会運営委員長、松橋議員、栗原議員)
・NEXTはんのう(野口副議長、関田議会運営副委員長、大津議員)
・飯能みらい(加涌議員、内田議員)
の、5会派の各代表は、一般質問を行わないという提案に賛成でした。

各会派代表からは、概ね

「命にかかわる重要なワクチン接種について、執行部・市職員が準備に専念できるよう一般質問実施による執行部の負担を減らすことが、未曽有の緊急事態における最優先事項である。飯能市は10万円の給付金が早かったことなど、市民に大変喜ばれた。それには全庁体制で、人海戦術による、残業・休日出勤といった大変な市職員の努力の元、実現されたものである。
一般質問による執行部の負担は大きく、それを軽減することは議会として当然のことである。」

といった趣旨の見解が出されていました。

全ての議員が、市民の負託を受けており、何が市民のために必要なのか真剣に考えているにもかかわらず、考えや方法が違うからといって、主観で相手を否定し、議員個人の権利を数の力で封じることはあってはならないと考えます。

今までも、私は、
昨年3月議会において一般質問通告書の取り下げ。
6月議会において時間短縮、それも時間や登壇日時の希望は一切出さず、議運の委員長に一任。やらせていただける時間でなんとでもやりますと、調整の負担軽減にも協力してきました。
今回も、時間短縮等の協力はすること。
さらに、今議会ではワクチン接種のスケジュールはある程度わかっていたので、年明けすぐから、一般質問の準備は進めており、前倒して早くに原稿を仕上げ、執行部との調整を済ませることで、スケジュール的な負担の軽減をはかっていました。

平沼議長からは、
「坂井さんが早いだけで、他の人はそうではない」
といった趣旨の発言がありましたが、それこそ執行部に質問原稿の素案その他の負担を強いる議員の猛省が必要であり、改善の協力が可能だったのではないでしょうか

さらに鳥居議員からは

「一般質問をする議員としない議員がいては、地元新聞に載る載らない、ケーブルテレビの放映がされるされないなどがあって、よくない。議会の意思として統一すべきだ」

といった趣旨の主張を強く繰り返されましたが

これまでも、一般質問をする議員としない議員は毎議会それぞれであり、しない議員もいます。こうしたなれ合いの同調圧力による一般質問取りやめは、他の近隣自治体にはなく、見解として全く受け入れられません。

野口副議長からは

「質疑でも委員会質疑でも、今回は当初予算なので大概のことは聞ける。坂井議員が一人会派のために委員会で聞けない事があるなら、担当課に聞きに行くこともできる。それでもどうしても一般質問したい理由はなんですか?」

といった趣旨の一般質問したい理由を聞かれました。

一般質問をすることは、様々なお声をいただいている議員として当然であり、したい理由を聞かれる意図が不明な旨をお答えしました。

・質疑と質問は違う
・正式に議事録に残る開かれた場での発言と担当課に聞きに行くことは違う
・ヒアリングで済むなら議会不要と市民に言われます

といったことは、あらためて副議長として議員の心得たる議員必携を熟読されているはずの野口議員へ申し上げるのは、これ正しく釈迦に説法と言われるでしょうから、そのようなことは致しませんでした。

以上のような議論の末、一般質問を行わないという提案に同意が得られないとして、多数決がとられました。

明確に反対の意思を示しました。

議会運営委員会でも、同様の議論がなされ、多数決によって、正式に一般質問を行わないことが決定しました。

最後に1点、
今回、議長から電話で「議長に一任いただけるか」と問われた際、一任できないとした理由があります

前述の通り、昨年3月からコロナ禍における執行部の負担軽減、市民生活を優先していただけるよう、会期日程の短縮に協力してまいりました。

しかしながら、この1年、現実に行われた議会運営では、

・議長会派の議員から、議案と直接関係のない、動議や議事進行がいくつも出され
・今議会で一般質問を行わない提案に賛成の議員による賛同があり

・度重なる休憩、時間延長と長時間、執行部を待機させることとなり

何のための時間短縮への協力だったのかと思われる、議会の空転が続きました。

このことから、一任ではなく、スムーズな議会運営に協力は当然するが、一般質問を行わないことが唯一の方法ではないと判断しました。

以下、これまでの議会の空転について報告の抜粋です。

単純計算でも、議事進行による休憩時間が約11時間。
動議による休憩時間が約5時間40分 

この時間があれば、大半の議員が一般質問を行えます。

【詳細】
●令和2年3月定例会
「開会日の議事進行詳細」
https://sakaietsuko.net/news/4048/

開会日はまさに緊急事態宣言による政府の休校要請をうけ、飯能市の対応がどうなるのか開会後冒頭で行われる市長挨拶の中で、発表されることになっていました。
しかし冒頭で野田議員による議事進行があり、鳥居議員の公務欠席について議長の見解が問われ協議されるも野田、鳥居両議員の双方が納得のいく結論が出ず、長い休憩が続きました。

大切な新型コロナウイルスに関する対応等も急がれるので、再開して、議事の最後に再度はかるのがよいのではという意見が代表者間で出され、市長から飯能市の休校に関する決定が発表されたのは、開会から1時間半以上が経過した、午前11時35分頃。
休校に関して保護者に連絡が届いたのは午後になってからと聞いています。

3月議会における一般質問の通告を全議員が取り下げ、緊急事態宣言への対応に議会としてできることを協力している中で、政府の休校要請に対する市の決定は、議事進行による休憩で議会がとまったことにより、発表が遅れました。

仕事を持つ保護者にとっては、いつから休校になるのか、どのような対応になるのか、仕事はどうすればいいのか、この日は金曜日であり、来週からの対応を一刻も早く取りたいところだったと推察します。

切実に待っている市民の顔は思い浮かばなかったのでしょうか。

この議事進行については、新井巧議員による議事進行があり、
「議事進行中のものではなく冒頭の「議事進行」という発言。「議事進行」ということで全ての議事がとまり、何でも議長の見解を求められるものなのか」
問われました。
これに対する平沼議長の答弁は「今回の議事進行は適切な発言であった」でした。

 

●令和2年8月臨時会
「問責、ハラスメント根絶の決議2議案に関する詳細」
https://sakaietsuko.net/news/4415/

臨時会における議案の採決後、
野田議員から動議が出され、滝沢修議員に対する問責決議案が提出されました。

埼玉西武消防組合議会で起きた消防局長のセクハラ問題が取り上げられ、飯能市議会ではハラスメントに厳しく向き合い、職員に対する暴言や罵声、恫喝、パワハラは断じて許さない、として、滝沢議員が、前回の6月議会での一般質問中に、声を大きく荒げた件はパワーハラスメントであったという問責決議案です。

これについて私は、6月議会において

・平沼議長が問題とは捉えず、議事を進行していたこと。
・それに対して後に協議され、滝沢議員が議場で謝罪していること。

既に処理がなされた6月議会での件に関し、8月臨時会でさらに問責決議を出すということは慎重であるべきと考えるとの見解を述べ、私は問責決議に反対しました。

滝沢議員に対する問責決議の可決後、さらに動議が出され、関田議員から、飯能市議会のハラスメント根絶に関する決議案が提出されました。

これについて私は、
滝沢議員の問責決議と同じタイミングで提案することで関連性を持って解釈される面があり、次回9月議会で提案するという選択肢はないか、全会一致で党派会派を超え意志を示すべき内容でないかうかがいました。

関田議員は、今議会の提案を優先するとして、私は決議に反対したものの、賛成多数で可決しました。

しかし、そこまで8月臨時会での提案にこだわった決議にある「飯能市議会ハラスメント防止の指針」の策定は、その後の検討会で慎重に行うとして見送られたと報告を受けています。

●令和2年12月定例会
「身を切る改革に関する、坂井への議場での謝罪要求について」
・一般質問の全文と議事進行について
https://sakaietsuko.net/news/4491/

・動議と日本維新の会の政治理念を貶める言動について
https://sakaietsuko.net/news/4511/

・身を切る改革に関する議場での謝罪要求について
https://sakaietsuko.net/news/4578/

野田議員から出された議事進行や動議については、日本維新の会・松井代表の古いネット記事をプリントアウトして示しながらの引用等について、正しくない説明があったため、異議を申し立てました。

後に、発言の取り消しが多数あり、詳細を記載することはできませんが、議長室における代表者会議での各議員の発言については、筆舌に尽くしがたいものでした。

議員個人の一般質問の内容や政党の政治理念に対し、

・事前に示し合わせて批判を重ね、
・議場での謝罪を要求する

これこそハラスメントと認識されなくて何であるのか。

賛同している議員は本当に同じ考えなのか。

議場を出たら、甘い言葉や心配を装い、一連の事態を非難する言葉さえもかけてくるのに、賛成をする。

このような議会運営において、「一般質問をしないことが市民の命を最優先に考える議会の意思」という提案には到底賛同できないものです。