問責、ハラスメント根絶の決議2議案に関する見解と発言について

地元新聞でも大きく報道された、飯能市議会8月臨時会における、「滝沢議員に対する問責決議」と「飯能市議会のハラスメント根絶に関する決議」の2議案について、私(一人会派・日本維新の会)と共産党会派が反対の意思を示したことについて、お問合せもいただいておりますので、この件に関する私の見解と、議会における発言について報告します。

令和2年8月6日の臨時会において、議案の採決、可決後に休憩の動議が出され、滝沢修議員に対する問責決議が提出されました。

休憩中、代表者会議と議会運営委員会が開かれ、私は一人会派のためどちらも出席。

まず、提出者の野田議員から問責決議の説明があり、併せて埼玉西武消防組合議会(構成市:所沢市、狭山市、入間市、飯能市、日高市)で起きた消防局長のセクハラ問題が取り上げられました。このセクハラ問題については報道の範囲で承知しており、また議会傍聴は、構成市の議員や報道関係者で満席となり、別室にはモニターが設置されたと聞いていました。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20200801-OYT1T50147/

 

報道及び傍聴した方のブログ記事などから知りうる経緯としては、

・6月18日に複数の女性職員からの訴えがあり、正・副管理者が双方から個別に聞き取った結果、7月2日に戒告処分が出された。
・被害に遭われた女性職員の方々が、『戒告』という懲戒の中で最も軽い処分であることに納得がいかず、涙ながらに訴えて問題が明るみになった。

そして、埼玉西武消防組合議会においてハラスメント防止に関する決議案が出され、可決された。とのことです。

 

こうした近隣での問題からも、飯能市議会ではハラスメントに厳しく向き合い、職員に対する暴言や罵声、恫喝、パワハラは断じて許さない、といった趣旨の説明でした。

ですが、滝沢議員が6月議会一般質問中に声を大きく荒げた件は、6月議会で議事進行の動議がなされ、代表者会議・議会運営委員会・各会派・正副議長とも協議、調整の上、議場で謝罪を持って議事は終了しています。

 

私からは、(6月議会でも答弁がありましたが)再度、以下のようにこの件に関する議長の見解を伺いました。

議長には議事整理の権限があり、6月議会一般質問中の滝沢議員の発言に対し、罵声、暴言、恫喝等に値する重大な問題があると判断すれば、そこで議事を整理し、厳重注意する等の必要があったと考えます。

議長の権限で議事が進行する中、議長は滝沢議員の声を荒げた発言等に対しても、議事を止め注意を詳細に行うことなく進められた。あらためて、議長は、この滝沢議員の一連の言動に対して、問題を感じなかったのかどうか、議長の見解をうかがいました。

議長は、「6月議会でも答えた通り、その時は問題と感じなかったので、議事を進行した。後に問題の指摘があり、厳重注意を行っている。」との回答でした。

 

・議長が問題とは捉えず、議事を進行していたこと。

・それに対して後に協議され、滝沢議員が議場で謝罪していること。

よって既に処理がなされた6月議会での件に関し、8月臨時会でさらに問責決議を出すということは慎重であるべきと考えるとの見解を述べ、採決では起立しませんでした。

 

臨時会の動議はこれにとどまりませんでした。

滝沢議員への問責決議の可決後、再び休憩の動議が出され、休憩中、代表者会議と議会運営委員会が開かれ、私は、一人会派のためどちらも出席。

関田直子議員から、飯能市議会のハラスメント根絶に関する決議案が提出されました。

提案者の関田議員からは、

本来、成人として公人として、ハラスメントなど当然にあってはならないことである。しかしながら、近隣自治体で女性職員が涙ながらに訴えるような、卑劣なハラスメントが現実として起こっており、飯能市議会ではこれを根絶するべく提案する。

といった趣旨の説明がありました。

 

これに対し、私からは

・内容的には賛同し、同じ女性議員として、同じ女の子の母親であり同じ子育て世代として、ぜひ一緒に取り組みたいと考えている。

・しかしながら、滝沢議員の問責決議と同じタイミングで提案することで、この2つの決議はどうしても関連性を持って解釈される面がある。

・次回9月議会は開会まで1か月をきっており、9月議会で提案するという選択肢はないか。

・こうした決議は、全会一致で党派会派を超え意志を示すべきものであり、関田議員のハラスメント根絶に対する強い思いがあるからこそ、全会一致ができるタイミングこそ重要なのではないか。

ということをうかがいました。

 

これに対し、関田議員の回答は、所沢の件で非常に胸を痛め、ハラスメントを許さないという強い思いで、今回の提案をお願いしていたものであり、たまたま滝沢議員の問責決議が出されるタイミングと重なっただけで、別のものと考えて、内容は賛同いただけるなら、内容だけで賛否を判断してほしい、というものでした。

 

共産党の金子代表からも、同じ女性議員として賛同したいと考えていること、全会一致で進めていく必要性があること、同会派の滝沢議員の問責決議と一緒に提案される以上、賛成できない旨の発言があり、女性議員からの関田議員への発言が相次いだところで、休憩。

いったん、会派に持ち帰り、対応が協議されることになりました。

 

再開後の関田議員は、人が変わったように何も発言をされなくなり、「決議案に書いてある通り」の答弁を繰り返しました。

 

議会運営委員会での私からの最後の質問として

・それだけの強い思いを、全会一致で実りある形で進めていくことよりも、今議会での提案を優先するのか。

・滝沢議員の問責決議と関連するものと解釈されることについては、どう思われようとよいのか。

という問いには、「どっちでもよい」ので今議会の提案を優先するという回答でした。

 

この回答と一連の関田議員の言動の整合性のなさを受け、本件はいったん取り下げて9月議会で審議に付す案件との私の見解を覆すに至らなかったことから、採決において起立はしませんでした。

 

以上が、文化新聞にも大きく取り上げられていた2つの決議に対する、私の見解及び発言となります。