平成30年9月定例会閉会

平成30年9月議会が閉会しました。

最終日は、委員長報告、質疑、討論、採決などが行われました。

以下、坂井の討論全文です。

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●第70号 平成30年度飯能市一般会計補正予算(第2号)案

第70号 平成30年度飯能市一般会計補正予算(第2号)案につきまして、反対の立場から討論をさせていただきます。
メッツァは、市長が、事業の推進に邁進したいとする民間事業であり、誘致活動を展開した案件です。昨年度の億単位の出資支援や、補正で市税を投入し続けることが含まれていたのではないかといわれますのは、こういった突然の補正予算が続くためです。提案理由の説明においても、年度当初や次年度予算ではなく、補正以外の選択肢は無いという理由が必要となります。

市民の税金の使途について、市長が率先して誘致したものに投入するのは、「民間主導」という経済活動の本質から外れ、妥当であるか疑問があります。既存の市の事業における、企業支援メニューに該当する場合のみ対応するべきであると考えます。近隣自治体協議や県の指導があるにもかかわらず、事業者が右折体について全額負担ではなく、税金によって資金を負担せざるを得ない状況は妥当ではありません。

地方創生に関する基本協定を結んだとしても、一般的な開発行為での市道寄付、道路再整備費用は全額自費など、これまでのあり方を崩す理由にはなりません。これが許されるならば、既存の企業支援メニューにとらわれず、求めがあれば本件は許されたという抗弁で市は拒否することもできなくなり、あらゆる産業活動への資金支援が必要となり、市財政が硬直化します。

基本の構想や計画、個別計画に沿って予算計上は年度当初になされるものであり、時点修正と言えない中での、地方創生の協定という理由での道路工事支援で、政策投資を入れ込むのは、計画性を持った市政運営といえるか疑問であります。

質疑で今回の道路工事や小中一貫校については。当初予算にて計上するべきではと指摘を致しました。一貫校については、当初予算からの計画性が答弁で得られました。道路工事については総合振興計画において、都市回廊空間整備事業で歩道整備、道路改良事業でメッツア関連道路とあり、当初予算でしっかり計画を持って行うべきであったと考えます。
専決処分対象や突発事案、緊急を要するものといえず、都度必要と判断ての計上、1割以上など規模は考慮しないということでは、計画行政といえないところであります。

今回計上した民間支援の在り方として、企業競争上妥当と判断できない使途もあるため、反対の立場から見解を申し上げ、討論とさせていただきます。皆様の御判断、御賛同のほどよろしくお願いいたします。

●第1号 平成29年度飯能市一般会計歳入歳出決算の認定について
第1号 平成29年度飯能市一般会計歳入歳出決算の認定について、反対の立場から討論をさせていただきます。
この年度は、基金残高が56億円、地方債残高は303億円、経常収支比率も94%台が2年継続と、硬直化と財政余力に課題のあった決算であります。市民の皆さんの税金を有効にという大原則から、歳出全般と起債や基金取り崩しを最大限抑制して、財政構造を転換し、経常収支比率と財政力指数を改善させるべきだったと考えます。行政改革大綱の地方債現在高の減少と、地方債に頼らない財政運営という記述とも相違します。

先進自治体の例では、財政計画で経常収支比率が80%以下、標準財政規模対比で、地方債残高が100%、財政調整基金現在高が10%です。
飯能市は地方債が193%と大幅な過剰、財調は6%と過少であります。

課題解決に向けた重要事業などには積極的に財源を集中再配分という、行政改革大綱記載のとおりであるならば、きちんと計画を定め当初予算か、次年度にやるべきです。国や県からの補助金申請期限で急遽と言うことでもなく、メッツァ事業負担金と飯能地域資源利活用合同会社への出資については、この点で大きなずれがあります。

以前の議会で述べましたように、本件で地方創生に関する協定を結んだ会社は決算短信では赤字、負債累積の継続課題があり、財務リスクを容認するだけで個別の取捨選択をせず、一括資金支援となりました。成果指標がない、市民の具体的なメリットが示されないままでの政策資金投入は妥当か疑問であります。

仮に、計画性を持たせるならば、協定を結んだ段階または後に、後年度にわたってのコストを積算し、債務負担行為の設定が必要であり、歳出面で計画行政と言えない状態でした。

行政が出資など関与するテーマパークについては破たん事例から、例外を除き民間資金のみで運営されます。市民への行政サービスに直結するものではないことが理由で、この支出が無くとも開設、運営できることこそ、民間施設として必要なものです。

あけぼの子どもの森公園の飲食施設建設については、地方創生拠点整備交付金なので、自主財源確保を目的の観点が一切不可ではなく、国税の支出趣旨にふさわしいかどうかを前提にすべきです。採算度外視で崩壊した行政の観光施設、閉鎖縮小事例は多々あります。市財政の状況に鑑み、指定管理対象の在り方含め、妥当とは言えません。

不用額についてはコスト削減を除き、大半は事業予算の半分以下や支出ゼロの事案、事業費に必須の補助金が見込みと異なり、権利者同意が得られなかったなど、市民の皆さんが支払った税金を使うという点で、市長を先頭に事業進捗への支援が必要だったと考えます。メッツアにさまざま手をかけた一方で、各種事業への目配りが適時適切なのか、地方創生と平素からの事業運営、力の配分が疑問です。

健康づくり支援と地域ケアの推進による、社会保障関連経費の抑制が図られたかどうかも重要です。老人福祉センターの健康増進事業は開催回数が増えたものの、述べ参加人数は7000人を割り約2割減になり、集団健康教育も800人を割り1割減になり、健康推進は不十分と言えると考えます。今後の対策への言及はありましたが、四半期での進捗管理で対応強化策が取れれば、不用額は減らせたはずです。正しい食生活と適正な運動習慣により、各特別会計の一人当たり医療費や要介護者の減につながる可能性を逃しているという点は問題であります。

教育関連でもいくつか質疑をさせていただきました。教育は学力だけではないから問題視しないということではなく、学力数値自体に、市外から勤労世帯の定住人口を呼び込む効果はあります。学力向上プロジェクトが形骸化していないのであれば、PDCAをまわして学力向上が達成できないというのは深刻です。

他自治体を参考に事業自体を別のものに変え、学力向上支援員を加配する等々の、まずは緊急に追いつくための再検討する時期であったと考えます。教員向け研修や訪問も、実施回数や参加人数を成果指標とせず、成果は子どもに対しての指標であり、この観点で効果を示さないのでは、税支出の意味は持たせることができないと考えます。

奨学金債権への対応は、現状が限界に近いという証ともなりました。静岡県では返済遅延債務者へ、民間の債権回収業者へ未納債権の回収を委託する対策を何年も前から続けて効果をあげています。こうした事例の検討がなく、解消に進まないのは大きな問題です。

生活保護費の扶助費については、医療扶助の割合が全国平均より多いということを以前のべ、答弁でレセプト点検に努めているということでしたが、チェック項目や観点を常に変え、他自治体並みへの大幅な削減が必要ですが、達成されておりませんでした。

以上、反対の立場から見解を申し上げ、討論とさせていただきます。皆様の御判断、御賛同のほどよろしくお願いいたします。

●第2号 国民健康保険特別会計歳入歳出決算認定
第2号 国民健康保険特別会計歳入歳出決算認定につきまして、反対の立場から討論をさせていただきます。

今回の決算では、歳出が前年度より減となったものの、要因は被保険者数の減であり、被保険者1人あたりの歳出は増となっています。構造面で歳出の抑制を図る効果は不十分であり、昨年度の決算でも埼玉県平均を上回っていると述べた次第です。

赤字の解消には、一般会計繰入金でその他扱いを40%となる約2億5千万円によって、一時的解消を進めるのではなく、広域化に向けた国や県の趣旨に沿うべきでした。被保険者負担の保険制度として、保険税で運営する原則に合わせた対応や、加入者の医療費を減らす、保健事業の強化こそ必要です。特定健康診査の受診率は、受診を義務としている健康保険組合に比べれば低いままで問題です。

南高麗、名栗両診療所については、外来収入がそれぞれ約700万14%減と約1000万22%減となってしまっています。歳入歳出からみて、執行率自体も全体で8割台、事業費は7割前後であり、監査意見書でも赤字と指摘されるものでした。地域の人口減は今年度に突然始まったことではなく、当該年度、運営の効率化をさらに進め繰入金を減らし、制度設計に合わせた収支の調整を図るべきでした。

相互扶助であるとして、健康保険組合や、協会けんぽなど、他の制度を利用する市民が納税した税金の使途として、被保険者負担を抑えた制度への繰り入れを増やすことは適切であると、市民に説明、納得いただけるように言い切れるとは思えません。
以上、反対の立場から見解を申し上げ、討論とさせていただきます。皆様の御判断、御賛同のほどよろしくお願いいたします。

●第9号 介護保険特別会計歳入歳出決算認定
第9号 介護保険特別会計歳入歳出決算認定につきまして、反対の立場から討論をさせていただきます。
介護予防について約5000万円、利用未達であり、介護予防生活支援サービスの委託先が増えなかったなど、予定事業者数自体こなせなかったというのは、コスト対策を考慮しても事業者の見込みが不十分だったのではないかと思います。未病やサルコペニア、フレイルになる前の予防、ウオーキング以外もさらに充実させるべきであったと考えます。
予防事業の重要性は、多方面からの事業実施が前提であり、事業環境が他自治体に比べて不利だから未達成も仕方ないということでは、改善の速度も落ちてしまいます。介護予防の効果は定量的な評価が困難と、できない理由ではなく、どうやればさらに改善できるか、上期の実績を踏まえ、下期に改善を図ってもよいわけで、国が求める介護モデルへの構造転換はできていません。

歳入についても、地道に徴収していれば、不納欠損が生じても、やむを得ないということではなく、どうすれば滞納にならないか、滞納の解消に進めるか、徴収業務と地域包括ケア両輪での対応こそが重要ですが、成果が見られませんでした。
介護保険事業計画で検討したということで、年度内の時点修正や前倒し対応がなければ基金取り崩しの抑制と歳入の改善両立はなく、要介護認定率の改善は進まず、他自治体と差が開きます。
以上、反対の立場から見解を申し上げ、討論とさせていただきます。皆様の御判断、御賛同のほどよろしくお願いいたします。

●第10号 後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算認定
第10号 後期高齢者医療特別会計歳入歳出決算認定につきまして、反対の立場から討論をさせていただきます。
埼玉県は全国の中で平均より一人当たりの医療費が低く抑えられ、健診受診率も良く、飯能市はその中でも平均よりよいという答弁がありました。しかしながら、埼玉県内という後期高齢者医療制度のチェックだけでは不十分といえます。埼玉県平均は平成28年調査で全国15位です。埼玉県では和光市以外、厚労省の後期高齢者先進モデルとして取り上げられる自治体はなく、平均寿命が長いにもかかわらず一人当たり医療費が安い、静岡県や長野県、長野県佐久市のようなさらに改善されている自治体を基準に考える必要があります。

先進的取り組みを集中的に行っている広域自治体、基礎自治体をみますと、まだまだ本制度の被保険者へ向けて、やれることが多々あるといえます。連合負担金が増え続けるなか、健康の保持増進が図られているのか、年度開始後、数値での検証と各会計の事業連携が必要であったと考えます。。
以上、反対の立場から見解を申し上げ、討論とさせていただきます。皆様の御判断、御賛同のほどよろしくお願いいたします。

●第11号 訪問看護ステーション特別会計歳入歳出決算認定
第11号 訪問看護ステーション特別会計歳入歳出決算認定につきまして、反対の立場から討論をさせていただきます。
訪問看護ステーションを運営することはなんら問題ありません。ただ、歳入歳出の構造には問題があり、補正予算で不要分を減額しても、結果として総務費ばかり、収入も減っていて、繰入金5割を超える運営は、事業効率性が低下する構造だとしても、税金による運営として適切といえません。不要分ではなく、運営のあり方を見直す段階であると考えます。訪問先が離れて移動距離の点で仕方なく、人員配置は適切であったとするならば、人員基準や設備運営基準内でできることを探す必要があります。

稼働率が低くなる時間帯や季節、曜日、実施ルートの最適化、事務作業の見直しによる業務処理の高速化・効率化など、様々検討ができたはずでした。逆に攻めの姿勢で病院と連携して在宅推進、人員増やして機能強化型へ移行し需要掘り起こしが適切な選択かなど、毎日の改善対応、年間の改善対応など、対策結果を報告いただかなければ、適切な支出と運営であったとはいえません。

先進自治体では、訪問看護ステーション経営改善プランを策定し、職員1人当りの訪問件数や利用状況による精査が進んでおり、本決算との対応の差は見過ごせません。以上、反対の立場から見解を申し上げ、討論とさせていただきます。皆様の御判断、御賛同のほどよろしくお願いいたします。