平成31年3月4日(月)
総務委員会議案審査
総務委員会に付託された議案について、質疑・討論させていただきました。
以下、坂井の発言内容です。
答弁、その他の討論につきましては、議事録を確認後、再度ご報告いたします。
議案第2号 飯能市減債基金の設置、管理及び処分に関する条例の一部を改正する条例(案)
【質疑】
・土地開発公社へ7億1千万円もの基金を貸し付ける必要性はどういった土地の事案が今後あるからかお伺いします。
・基金の貸付規模はどれくらいでしょうか。
・公社の負債を整理するために基金ではなく、一般会計で買い戻し、処理を行うべきではないのでしょうか。
【討論】
議案第2号「減債基金の設置、管理及び処分に関する条例の一部改正」について、反対の立場から討論させていただきます。
土地開発公社は、保有土地の縮減を経営健全化の第一として、解散が全国で進められております。そうしたなか、狭山市では、住民監査請求があり、土地開発公社への基金貸付は、最も確実で有利な方法の運用ではないと市民から指摘がありました。
埼玉県の土地開発公社調査でも指摘される、15年以上長期保有土地については、明示して課題とされています。買い戻して市の一般会計に多額の歳出を計上より、金利分だけを基金で補助すれば処分問題が顕在化せず、簿価の買い戻し時期をさらに繰り延べなどしないかどうか、基金を用いさらに土地を買うのではという懸念について、議案資料からは判断ができませんでした。
保有土地の資産価値、土地利活用の見通し、最終的な市の税金での損失負担などの試算を情報公開したうえでの条例改正が必要であると考えます。新年度の一般会計予算でも、土地開発公社の所有地取得事業は減債基金を下回る2億円であり、市債で計上されており、基金の必要性を確認することができません。
以上、反対の立場から見解を申し上げ、討論とさせていただきます。
議案第14号 平成30年度飯能市一般会計補正予算(第4号)案
【質疑】
・3表 債務負担補正
土地開発公社について、限度額を約21億円から、借り入れた資金額と利息と、金額記載を外しました。3か月おきの各定例会には一般会計補正がだいたいあり、変更せずとも土地開発公社の資産を縮減していくのであれば、時点修正をしていけば問題ないと思いますが、どういった理由で限度額を借入額としたのかお伺いします。
債務負担行為について、「限度額の表示の困難なものについては、文言で表記してもよい」という根拠は、地方自治法214条と考えますが、これまで金額を記載していたものを、簡略化のために文言にすることは、金額表示困難と解釈して問題はないでしょうか。
【討論】
議案第14号一般会計補正予算(第4号)について、反対の立場から討論させていただきます。
土地開発公社の債務負担行為補正について、限度額を21億3千万から、借入に上限額を外し完全な全額債務保証という形になります。埼玉県市町村土地開発公社経営健全化対策にそった、現在の平成33年度までに保有簿価を大半解消予定という予定について、方針変更が今後起きた場合、基金も用いて資産拡大につながります。
そうなりますと、全国で公有用地の長期保有を減らしている状況において、過去各自治体で問題となった、市財政の身の丈に合わない状態、不要不急の土地取得を助長させ、長期保有土地を抱えるリスクを含みます。
公社廃止に向けての対応を書面で確約等があれば問題はないわけですが、行政改革・財政健全化実施計画のファシリティマネジメント推進を具体化する、廃止への早期処分や用途転用など利活用を公表し、限度額を圧縮するといった、具体的な断言や補足説明、説明資料はございません。自治体保証を与える前提条件について、書面で確認できぬままでは、賛同しかねるところであります。
新年度の一般会計予算でも、土地開発公社の所有地取得事業は減債基金を下回る2億円で、市債です。
3か月おきの各定例会には一般会計補正予算があるため、今回の債務負担行為の変更をせずとも、土地開発公社の資産を縮減していくのであれば、時点修正をしていけば問題ないと考えます。
以上、反対の立場から見解を申し上げ、討論とさせていただきます。
議案第32号 平成31年度飯能市一般会計予算(案)
【質疑】
歳入
・市税 1市民税 目個人
市民税、個人の滞納繰越分が前年度比で3割ほど減になっています。のちに触れる徴税事務費が増えていながら、こちらが減というのは、効果的な滞納整理が不十分であると思います。市税収納率は財政健全化の重要項目で、滞納整理は公平な税負担の根幹であり、減額は許されないと思いますが、増額で計上は難しいのか、お伺いします。
・19繰入金
基金について利用が前年度比15%増で後年の枯渇懸念があります。財政調整基金残高の適正規模は少なくとも20億円少々であり、全基金残高も大幅に減っており、経常規模と今後を見据えた基金残額は妥当か、お伺いします。
歳出
・1款総務費 総務管理費 目会計管理費
一般財源が1500万円弱増えており、電子計算事務委託料、収納処理委託料が理由のようですが、国や県の事業でもないです。会計管理や収納率の向上にどう寄与しているのかが見えませんが、どのような効果を目的としているかお伺いします。
・総務費 徴税費 目賦課徴収費
一般財源が3000万円弱増えており、資産税賦課の鑑定評価などが理由のようですが、こちらも国や県の事業でもなく、収納率の向上や税収増にどう寄与しているのかが見えません。どのような効果を目的としているかお伺いします。
・12款公債費
地方債元金償還額は前年度から増えており、プライマリーバランスの点から、例年、年度内補正予算での何らか起債を考慮するとバランスが崩れかねないと思いますが、方向性をお伺いします。
・給与費明細書(人件費)
2一般職常勤、職員数が5名増え、給与費と共済費で5300万円増えます。
3一般職常勤、前年度から2名増え、30年度に削減した効果の半分が消える、約2000万円増えています。
これら7000万円を超える人件費増により、行政改革は進むのか、固定費の増で後退、硬直化するのか、最小の経費で最大の成果をというのが、行財政改革の趣旨ではなかったのか、増員の効果はどう出すのかお伺いします。
【討論】
議案第32号平成31年度飯能市一般会計予算について、反対の立場から討論させていただきます。
本年は第6次行政改革大綱と行政改革・財政健全化実施計画5か年の4年目であり、最終年度に向けて行政経営基盤の確立、行政経営自治体へのシフトチェンジ、職員定数の事務事業整理削減といった、成果を出すべき年度であると考えます。
しかしながら、今年度の予算において、昨年度予算でも申し上げました通り、繰入金が増え基金残高が大幅に減っています。公債費も1億円弱増えている中で、滞納繰越の歳入減、ふるさと納税の規制強化による税収減など財政の硬直化が懸念されるところであります。
財政健全化実施計画の地方債現在高の減少は、補正予算の動向や次年度以降もプライマリーバランスを満たしたものにとどまるか不明です。
総務費においては、会計や徴税のコスト増に見合う成果が不明瞭である点、行財政改革と逆行する7000万円を超える、職員増によるコストなどが課題として挙げられます。職員構成の最適化による、人件費の抑制 人材・人員の最適化、事務事業の見直しによる適正な人員配置、定員適正化計画の職員削減数という成果指標に逆行します。
また、PDCAサイクルによる、事務事業や業務の継続的改善、効果的・効率的な市政運営は見られず、これまで様々うかがってきた各分野への的確な行政サービスへの着手も見られませんでした。無駄やコスト削減に向けた全庁的な改善的取組を展開し、併せて各種団体、事業運営への補助金制度の改革は、予算上で成果の記載がございません。
事業見直し・廃止となった事業の全体事業数に対する割合、評価項目中のアウトカム指標の設定など、そうした情報の開示と反映がなく、行政経営をサポートする行政評価がなければ、市財政の健全化が果たせないと考えます。公共ファイナンスの活用が可能な事業数・施設数の開示や、事業進行管理と予算査定がリンクするシステム構築の結果も出ておりません。
民間と行政が連携して行政サービスの提供を行う仕組みであるPPPやPFI、指定管理者など民間企業活用により、効率化と市民の利便性の向上、自治体間の戦略的連携など行政経営も、今回の平成31年度予算の主な新規事業での反映はRPAなどごく一部にとどまり、行革の成果は出ているといえないところであります。
以上、反対の立場から見解を申し上げ、討論とさせていただきます。