議会であれこれ飲み込んだ後、疲労困憊でも映画「スペシャルズ」のレイトショーを観に行く理由に気付いた話。

3月議会真っ最中

飯能市の緊急事態宣言による事業見直しからずっと、市議会も厳しいお声を受け続けており
その事業見直しをもとに組まれた、来年度の当初予算を審議する議会の真っ最中です。

議員の質疑質問も財政関連に集中すると同時に
通常の何倍もの傍聴者が連日お越しになっています。

常任委員会に付託された委員会審査においては
私は、財務部が所管の「総務教育委員会」に所属しており

まさに今議会の最大の論点である「当初予算」編成について
それでなくても狭い委員会室にはぎゅうぎゅうの傍聴者で
空気も熱気もムンムン状態。

中には、開会から閉会まで全ての審査をフルフルに傍聴された方もおられました。

質疑が多すぎて、時間も予定を大幅超過。
休憩なしで執行部の入れ替え箇所まで続けることもあり
連日「脳の疲労」や「疲労による集中力・思考力の低下」との闘いでした。

疲労は質疑のキレが悪くなるので、休息・疲労回復・リフレッシュ大事!

更に、予算審議はなんとも筆舌に尽くしがたいことの連続。

財政改革は必要だった。
財政再建は急務。

でもやり方には問題があった。

市民が選んだ市長。選挙で選ばれた市長。

職員さんは本当に力を尽くされてる。
でも指摘すべきところはしていく。

時に胸の痛い削減や縮小や休止がある。
だからといって、何もしなければ財政は破綻に進んでいた。

どうすればよいか。
何ができるか。

考えながら、公式発言に残すところは議事録にしっかり残し
そして、議案には賛否を表明していかねばなりません。

市民のみなさん、それぞれの立場で、それぞれのお考えやご意見がある。

時にそれが期待に反すれば
議員を責めるのも当然あるでしょう。

その意見や意思の表現もさまざま。

議員だからという理由でご批判いただいても、されるがままお聞きするしかないところも。

帰る頃には、何もかもを飲み込んで
自分の感情がさすがにバグっていることが続きます。

映画「スペシャルズ」とは

そんな3月議会の最中、私が熱く推している映画監督の新作が公開になりました。
映画スペシャルズです。

映画スペシャルズは、裏社会のトップ暗殺のため「ダンス経験者」という理由で集められた伝説の殺し屋ダイヤをはじめ、孤高のプロの殺し屋たちが、ターゲットが必ず訪れるダンス大会への出場を目指す「ダンス・アクション・エンタテインメント」。

ダイヤの勤める児童養護施設の少女からダンスを教わり、次第にダンスの魅力に目覚め、スペシャルな5人のチームとなり、本気でダンス大会への情熱を燃やし、暗殺ミッションに挑むストーリー。

止まらなくなるので最小限だけ書くと、推しである内田監督の才能が広すぎて、前作のシリアスな社会派作品から振り幅広すぎなエンタメ作品です。
一貫しているのは「オリジナル作品」であること。

世界的にも縮小している映画業界で、原作ありきが主流の日本で、オリジナル作品は全体の5%程度だそうで、監督曰く「応援してもらえなかったらすぐになくなる文化」。

えぇ。
応援しますとも。

と、映画館に通っているわけですが、話しを戻して、なぜ脳が疲弊してストレスでバグってる議会終わりのレイトショーに、翌日も脳フル稼働させなきゃなのに、それでも映画館に吸い込まれていくのか。

真面目に考えてみたら、気付いたことがありました。

完全には一致しない人の集まり

そもそも議会って、全議員が選挙で「違う人から」投票してもらって当選してきた人の集まりです。(一人1票ですから)

特に飯能市議会は定数も19人ですし、考えも主義主張もそれぞれ違う候補者から、「人」を選んで投票される傾向もある。政党など、ある程度の政治思想はあるでしょうけれど、多くの候補者は個々の政策や活動で選挙を勝ち抜いている。
つまり、絶対に完全一致はしない前提の集まりです。

そこは集められたバラバラな孤高の殺し屋と同じですね。
完全一致はしない集団。

政治の世界とここまで真逆な時代の特徴をみた

そんなバラバラな殺し屋たちがダンスチームを組むも、踊れないし問題起こすしダメダメ。
強面のおじさん集団がダンスに四苦八苦する。

そうなると、かっこよくダンスを踊る若者たちがどんなリアクションかなというと。

オバよりもディスりやすいオジを、小馬鹿にする人は誰も登場しないのが、内田監督作品の魅力的なところ。
オジサンが踊って下手やらキモなどは皆無。
ダンスいいよねという絶対的なリスペクトがそこにある。

オジサンが踊る姿にYeahhhh! Woohoo! 盛り上がってスタンディングオベーションするオバサンもまた、決してオバ、キモではなく、ダンスが好きな者同士感。

更には、サンバとかタヒチアンといった露出度お高め衣装のダンサーが登場しても、それが当たり前であって、みんなが生き生きと踊ってる色んなジャンルのダンス。盆踊りもフォークダンスもキッズダンスもKPOPも踊りは踊り、ダンスはダンス。

なんかいいよね。楽しい。

殺し屋のセリフに出てくる「ダンスっていいもんだな」「お前のダンスはすごいよ」「みんな上手いぞ?」そのままに、
よくあるダメダメな集団が苦行のような練習に耐えて、バカにしたり見下した連中をざまぁと見返す打ち負かすような描写がない。

みんな好きや楽しいに真っ直ぐに描かれている。

それでよくない?

おそらく時代がそうなんだと思います。

最初から完全一致はなくて、違う者が集まってるから、違う相手をディスる理由がそもそもなくて、好きなことは楽しくて、同じ好きに向かってまっすぐ。

好きなものへのリスペクトが共通で、リスペクトのあるお互いをリスペクト。
誰もが誰かの推しで、拍手されたり応援されたり。

これが令和の今なんだな。

絶対に完全一致しない議員が絶対一致すること

集められたバラバラな殺し屋集団はダンスじゃなくて、裏社会のボス暗殺というミッションが一致している。
同じく絶対に完全一致しない議員の集まり、議会はどうか。

どんなに主義主張や政治思想が違っても、「自分たちの町を良くしたいという思い」、これだけは絶対に一致する。
これだけは全国どこでも同じ。
自分たちの町を悪くしようと思っている議員はいないはずです。

だから自分や支持者や所属政党の主義主張に、相手を一致させようとしないで、
そもそも完全一致はあり得ないのだから、一致できない部分・論点を削って削って一致できる部分を抽出して抽出して、
どうしても賛同できない部分はどうすれば一致できるか議論を重ねれば、

全てでなくても、自分たちの町を良くしたいという原点に沿って全会一致できることはあります。

時に忍耐を要し、もどかしさに悩んだり嫌な思いもするけれど、地道に力を尽くしていかなければ、パフォーマンスで終わってしまう。

これがとにかく難しい。
なぜか。
やっぱり時代に取り残されてるのかも知れないな。

違う相手を叩く風潮、そもそも違うんだって…

それぞれ違う政策や活動で、違う人から選ばれて、考え方や主義主張が違うから、違う点でぶつかる。
議論は深まらないどころか、主張し合って、違う点の批判になる。
それぞれ違う支援者が、違う人の応援している議員を批判する。

発言を血祭ったり。
SNSでディスったり。
税金泥棒、議員辞めろ、落選運動が終着点。

それを哀しいなと言っても、その発言が晒される界隈。

さらにこの界隈。年齢、性別、出身地、地盤や地縁血縁からの偏見やルッキズムも健在です。

式典や宴席に来賓で行くのに、会場へのエレベータへ向かうと、そこのお偉い人から
「また細い足だな~折れるんじゃないか?」
と言われ、

始まれば、花束贈呈役のご婦人に向かって、お歴々の方々が
「若い美人の代表だからね!」とか言って
「若くなくてこんなですみません」と言わせる展開があり

帰りのエレベータを同じく来賓でいらしてた県議(男性)と並んで待っていたら
ドアが開くなり、上の階の宴会場からお帰りのお歴々歴々の方々が乗ってて
「おっと!なんだよ〇〇〇号室帰りか」
「どうりでスッキリした顔してんのバレたな!」
「ここでヤッた女は全部俺んとこに情報入るからな」
等々、壮大な下ネタを聞くことになる。

私が公民館活動で昭和のフォークダンスを踊ってても、誰もなにも言わないけれど、同じく公民館活動でベリーダンスを踊ったら、腹出した足出したオバダンスってまぁまぁ言われ放題です。

盆踊りは踊り手として踊ってるだけならスルーで、議員として紹介されたらよその地域を荒らすな的ご批判で、怖い感じで呼び出されたりします。

さっきのダンスは思い出すだけで楽しかったのに
こちらは書いてるだけでしんどくなりますね。

やっぱり政治の世界も変えていきたい

まだまだ時代に取り残された特殊な世界っぽい政治界隈ですが
それでも私が議員になった10年前とは別次元に変化しています。

10年前とは比較にならないほど、多様な人材が議員になって、意識も変わってきている。

私が現職の間は無理かも知れないけれど
今の子どもたちが中心になるころには、政治の世界ももっと変わっていて欲しい。
そう思うので、がんばろうと思えます。

劇中、ダンス大会での暗殺計画の進捗報告を受けたヤクザの親分が
「お前変わったな。楽しそうだ。」
という場面が、とても好きです。

政治の話や自分たちのまちをよくするために議論するの見て
楽しそうだねって言われたいなぁ。

政策を討議するのって、本当はとてもわくわくするんだ。
こうしたい、あれもやってみたい、こうしたら絶対よくなるって。

まぁ。
今日もまた休憩中に「(休憩中は)議事録に残らないからって、笑ってんじゃねぇ!」って野次を受けたところですけど、がんばります。