改選後初の本会議中ですが、私、坂井悦子は副議長を拝命しておりまして
副議長の任期中は、本会議での質疑や一般質問ができません。
会派を代表して「団体補助金について」の質問
議員になって9年目にして初めて会派に入り
大先輩議員お二人と同室でお話をする中で
特に、前任期の4年間、経済建設委員会で質疑や提案してきたことについて
経済建設委員会で一緒だった加涌議員が「会派を代表して」質問されることになりました。
とはいえ、質問スタイルも違えば、お立場やなんといっても期の長さが違いますし
あくまで加涌議員のご質問時間です。
同じ会派の鳥居議員が(ここだけの話で内緒にしてほしいんですけど)
「会派を代表してなら、もっと突っ込んで欲しかったね」
と、ぽろりとおっしゃっていましたが
でももしこれが、私が「会派を代表してこれ聞きます!」と言ったら
イヤそれは個人でやって、となったと思います。
政治というのは、まぁそういうところがあるのが、まぁ地方議員の一般質問とは何ぞやというテーマは「重」「深」すぎるのは確かです。
ざっくりまとめると
「会派を代表しての質問」は、団体補助金についてで
詳細は、後日公開される議会録画をぜひご覧いただきたいのですが
ざっくりまとめると
・継続的な団体補助金の多いものは、観光協会や商工会議所の事業についで4番目の多さで「森林サービス産業補助金」がある
・「森林サービス産業補助金」は森林環境譲与税が財源であり、目的税のため使途が限られる
・財源があるからこそ、その使い道や効果には厳しくあるべきでは
・緊急財政対策を実施する中で、公平、公正、公益性と透明性の高い、政治的中立を保った団体補助金の在り方に市はどう考えているのか
といったことが質され
その答弁は、ざっくり言うと「厳しい財政状況の中、既得権とならないよう、最大の効果をもとめて、聖域なく補助金も精査して、見直しも検討していく」といったところでしょうか。
財政改革とはよく使われる言葉ですが、補助金を見直すとか、聖域なく精査するとか、これって恐ろしいことではありまして。
例えば、議員が「既得権やめましょう。見直しましょう。他を検討しましょう」と、言っただけで恐ろしく恨みを買ったり、選挙で落選したり、方々の偉い方々から呼び出されたりはある種セットです。
それが例えば、権限のある首長が実際にお金や利権を打ち切ったり、減らしたり、変えたりしたら、今でいうと兵庫県県知事や兵庫県政の混乱のようなことは、規模は違えど飯能でも十分に起こり得ると思います。
ですから、一般質問としては実にまろやかなお味と食感と感じましたが、今回、このテーマを取り上げていただいたことは、非常に大きな意味があると私は考えています。
「森林サービス産業補助金」についての委員会質疑
「森林サービス産業補助金」については、過去に経済建設委員会で多くの議員が質疑しています。
私の質疑を抜粋すると
- 2024年9月
問) 森林サービス事業補助金は補助事業として事業内容に口出ししないとのことだったが、事業状況について、効果をどのように考えているか。
答) 森林サービス事業補助金は、NPO法人埼玉ハンノウ大学に700万円の補助金を支出、補助事業として3年間の予定で進めている。事業内容は、はんのう森林プラットフォームのHP開設、はんのう森林みらい塾の講座である。事業の効果は今後見極めていきたい。
- 2025年3月
問) 森林サービス産業補助金を令和6年度予算700万から令和7年度予算500万に減額した理由は。
答) 特例認定NPO法人埼玉ハンノウ大学への補助が3年目となり、事業内容を精査したため。
議会は、税金の使い道や在り方をチェックする立場です。
森林環境譲与税という目的税、厳しい飯能市の一般財源とは異なり、使うべき財源がそこにある。
お金があるからといって、いい加減な使い方は許されないわけです。
だからこそ、以下のような内容を質してきました。
「飯能まちなか未来シンポジウム」において、ハンノウ大学の補助金事業パンフレットが「飯能まちなか未来ビジョン」と共に配布されており、第3部のトークセッションに代表の小野まり氏が登壇されている。
そのハンノウ大学へ、大きな金額の補助金が「森林サービス補助金」として執行されているが、森林関係の情報を発信するポータルサイトとして、効果が認められるのか。
公式SNSではフォロワーも少なく、表示件数も非常に少ない。
2024年6月9日開催「はしらベンチ」をテーマとしたはんのう森林みらい塾公開セミナーは、会場の市民会館来場者が、担当課市職員、商工会議所関係者、市議県議、ハンノウ大学関係者を含めても25人程度であった。
(ハンノウ大学さんSNSより)
内容は素晴らしく、制作されたポスターやチラシも立派でお金がかかっていたが、十分に内容の魅力が発信されたと市は考えているか。
補助金の入った事業である以上、効果を検証していかなければ、よい公民連携や補助金の在り方とは言えないのではないか。
この質疑をしていた時点で、代表の小野氏が後に議員となられるとは想像もしていませんでした。
結果的に、令和7年度の予算額では、当初の700万から減額されたわけですが、それでも1900万円という一団体としては、非常に大きな金額です。
森林を有する自治体としての飯能市の大きな課題
飯能市の森林は、多くの課題を抱えており、経済建設委員会では、森林整備や水源保全、林業振興、西川材の活用など広く議論を深めてきました。
その中では、正丸峠の斜面崩落が起こった際、風化していつどこが崩れてもおかしくない山の現状にあって、災害ではないので国県の補助金もなく、市の一般財源で4000万ほどかけて、とにかく通行止めを解除しなくてはならない。
【当時の経済建設委員会の報告」
https://sakaietsuko.net/news/10506/
厳しい財政状況の中で、森林を有する自治体として、森林環境譲与税をどう使っていくのか。
これは飯能市にとって真剣に議論すべき課題です。
だからこそ、多くの議員が指摘や提案もしてきた。
決して、一団体の補助金をつついているとか、その代表が公人になられたから政治的思想からどうこうという、そんな次元の話はしていないのです。
飯能織物協同組合の歴史的建造物がハンノウ大学の事務所で、その文化財を国政政党の選挙事務所にしたことについては、ましてや多額の補助金が入っていることについては、政治的中立の考え方からも様々意見があるところだとは思います。
ただ、森林環境譲与税の使途については、そうした政治的観点ではなく、それ以前から常任委員会で真剣に議論をしてきたのが事実です。
そのことを、会派を代表して議事録に残してくださったことは、素直にありがたく、会派に入ってよかったなと思っています。
普通に注目はしています
ハンノウ大学さんへは私が知る限り、
【森林サービス産業補助金】
令和5年度 700万円
令和6年度 700万円
令和7年度 500万円
【提案公募型子ども支援事業】
令和3年度 フィンランド式こどもプログラミング教室 10万円
【市民活動支援事業補助金】
令和4年度 「歴史的建造物を活用した景観まちづくりの形成」事業 30万円
令和6年度 「木づかいのまちづくり」事業 10万円
と、多くの補助金が入っています。
補助金を受け取っていた団体の代表が、今は補助金含め財政をチェックする立場になられたわけですから、そしてまさに所管の経済建設委員会におられますから、
議員のご発言には、そこは当然注目していきたいと思います。