HGP通信【身を切る改革・行政改革について】

飯能の行政は危険水準

*飯能市は、深刻な財政悪化が進行中
まず人口減少傾向。実は加えて年少人口が少なく、生産年齢人口は多いものの、今後一気に高齢化が進行します。現在の高齢化率でも、余波が市の予算で見えており、税収自体が低落傾向、市の預金である基金残高は減る一方で、借金である市債は借金返済より新規借り入れが多く、財政の硬直化が進みます。
既に財政力指数という、自治体の収入と地域での需要額で出す数値、1を超えれば優良、財源に余裕.があるといえますが、飯能は0.79とかなり不足しています。
国や県等の財源がないと回らない。これは家計で考えれば親からの仕送りに頼る状態、かなり危険ですよね。
経常収支比率という数値もあります。これは自治体の予算に柔軟性があるか、つまり何か新規にやろうと思ったときに、自前の財布で対応できるかが示されます。70%台が健全な状態ですが、飯能はなんと91%以上。人件費や福祉関連費、借金返済など払わねばならない経費(義務的経費といいます)に、予算の9割以上が使われてしまっているのです。
1割足らずしか使い道を選べないので、平成28年度予算の主な新規事業は小粒に。消滅可能性都市と指摘されるのも道理で、発展可能性都市だと行政が自己宣言しても、人口増の具体策に予算を割けねば意味を持ちません。

*今までの対策は奏功せず
もちろん、飯能市は財政健全化計画で対策を講じてきましたが、効果に乏しく悪化の一途です。他自治体で改革端緒である民間活用も不十分、お役所仕事の民間解放である指定管理者制度も市の関連団体ばかりです。支出を減らす、事業の見直しがあまり見られず、方向性も疑問が残ります。にもかかわらず、公共事業入札の高額に張り付いた競争性課題放置の結果、土木関連の費用は他自治体に比べて割合が高いです。
市民負担は増える中、職員、議員、市長らのボーナス増額。職員は近隣自治体に合わせて増額と、これは市民目線と言えるでしょうか。予算説明でもどう無駄を省き、市民の税金を大切に使うかが感じられず、過去からの事業の継続と大規模事業ばかりです。
飯能の魅力低下は著しく、公示地価、基準地価の総平均、平成18年約11万円/㎡が約9万円/㎡と2割減っています。西武池袋線沿線の平均地価約34万円/㎡、八高線沿線の平均地価約11万円/㎡を下回っており長期低落傾向、魅力ある市政、街づくりができていない失政の証拠となってしまっています。

民間目線での改革、スリム化や飯能の魅力創造など今日から出来ます

お役所運営経費、職員給与や市長、議員の報酬は、大手企業中心の給与比較が前提であり、市民の給与水準よりかなり高いです。職員給与平均は600万円弱ですが、埼玉県民の平均所得は300万円弱。公務員制度改革で民間水準に近づけることも重要な論点です。官民給与比較の金額を適正化し、民間との同一労働同一賃金を達成するために、原因の大企業年収比較を県民平均年収と職種別に変えるとどうなるか。職員人件費は2割も削減となり、余剰は保育教育クーポンに利用することも可能です。また議員も一人減らすだけで年600万円以上も削減できます。
公共施設や土地にも働いてももらわないといけません。低利用なものは、民間に定期借地権を用い、企業や福祉分野で活用してもらうことが可能です。市民の利用ニーズがないのではなく、ニーズを作り出す力が必要ですが、提案公募など民間の力を利用するようにしたいですね。稼ぐ自治体、稼げば市民にサービスで還元ができるようになります。
交通不便地域についても、国は全国的にバスタクシー定期運行困難と認めており、特区制度を申請してシェアリングエコノミーの活用模索による、魅力創出は進めたいところです。個人所有の車を不便地域で有料乗り合い可能にするウーバー特区など、提案は様々出てくると考えます。できるできないではなく、例えば報道してもらって飯能市をセールスし、国にどう実現させるか道筋作りが必要なのです。
市長の給与については今期のみですが半額にした努力、評価されるところです。今後は、次の任期でも減額を実行してもらうこと、1期4年で支払われる退職金約1800万円もカットしてもらえればベストですね。
財政構造の改革も必要です。収入以上の予算を組まないという、収入と支出を均衡させるよう財政規律を守って、子どもたちへつけを回さないようにする。事業の見直しも民間委託や近隣区市と共同運営、費用対効果で廃止等、事業効率化で借金と利息への税金浪費を削減します。予算や条例の検討過程を市民に公開し、事業の妥当性を明確化して説明責任と透明性を確保することが必要です。
市の関連団体、いわゆる外郭団体の廃止も必要です。役所から出資・補助金、人員派遣を受け、市の業務をおこなう団体ですが、既に民間で担い手は多々、本来民間でできるものもかなりあります。民間でできることは民間で、が第一ですね。
入札制度の改革も必要です。落札価格を下げるためには、競争性のない随意契約をゼロにし、一般競争を原則化、不正を調査する外部監査を導入すればチェックが効率よく進み、不正を防止し、問題業者には指名停止や罰金等対策も可能となります。他にも何度でもより安い価格で入札を繰り返すことができる競り下げ方式など、割高な役所の調達価格を競争で市場価格まで減額すれば、財源が出てくるのです。本来の「事業仕分け、お役所仕分け」が必要なのです。