3月議会報告会について

3月議会は新型コロナウィルス感染症対策として、会期が短縮となり、一般質問もなく、また広く傍聴を呼びかけることも難しかったため、いつもより丁寧に報告をさせていただいております。

会場に人が集まることは、今は避けるため、少人数で勉強会スタイルでの開催です。

3月は予算議会。
当初予算に反対いたしました。

300億の当初予算に反対することは、実は毎回様々なご意見をいただきます。
しかしながら、慎重に時間をかけて調査し、判断しておりますことは、これまでもご報告させていただいているところです。

今回の予算は、ここ数年で比較的緊縮と言えた平成30年度の予算及び決算と比較して、賛否を判断しました。

平成30年度から20億程度の歳入増となるものの、市税自体は3億しか増えていないため、歳入における構成比が落ち、43%が41.2%と減少しました。国の資金などが増えた面もありますが、今後の歳入の安定性を考慮すると、改善が必要でした。

平成30年度と比較し、自主財源比率も55.3%から52.7%へ減り、基金繰入は10億以上の繰り入れで、基金総額は3割近く減の47.4億円。

財政調整基金に至っては4割減となる7.1億円と大幅減となりました。

財政調整基金の適正規模は、標準財政規模の10%程度、飯能市の場合は17億円を目途としているとのことですが、
近年そこまでいったことはありません。

災害時にも活用できる財源で、もう少し蓄えておきたいと答弁もあります。

これは、財政基盤の安定性が大きく損なわれています。この原因が平成30年度からの財政規模拡大であり、財政の安定なき拡大路線は妥当といえません。

市債の歳入構成比も増え、市の自主財源での予算規模の拡大とは言えないものです。
一般会計の地方債残高は305億円、特別会計も含めれば472億円となります。

国や県の交付金や支出金の対象となる事業であれば起債は必須ですが、自主財源事業の起債については、財政負担の平準化から事業を後年にずらして、次年度以降に起債を遅らせることを考えてもよい時期であったと考えます。

飯能市では、全庁的な業務の見直しと民間活力の活用、事業コストの削減、行政サービスの質の向上に向け業務の見直しを図り、民間の専門的な経営能力と技術力等を積極的に活用しますと述べています。さらに、持続可能な行政経営の推進として、選択と集中、民間企業等との連携、とあります。

しかしながら、今回の予算において、歳出の具体的見直しや事業廃止等財政効果について、言及がありませんでした。

他の自治体では、財政の非常事態宣言を行う事例など増えており、終了した事業や廃止した等を列挙し、財政健全化と市民サービスの重点化を進めています。

近隣では、東京都日野市。
飯能市より倍以上の一般会計予算規模を持ち、財政力指数は飯能を20ポイント以上上回る0.97、市税は歳入の構成比で飯能市よりも良好な44%ありながら、財政の非常事態宣言を行いました。

飯能市は、財政調整基金の残高が一般会計予算比で2.3%、飯能市の307億円の市債残高は一般会計予算比で100%を超えており、日野市の50%の倍です。

飯能市は非常事態を宣言しないことが不思議な水準です。

日野市では、飯能市同様に歳入不足は地方債発行や基金取り崩しで回避しつつ、今回の非常事態宣言により、財源不足の穴埋めを行う、基金や地方債の活用を抑えることができたそうです。

この事例を援用すれば、主要工事の休止、職員の時間外手当の削減、財政再建を進め歳入増加と歳出削減を図ることこそ、飯能市が直ちに予算において取り組むべきことであり、歳出の見直しが大きく取り上げられていない本予算については、反対の立場から見解を申し上げた次第です。

今後も、皆様のお声を真摯に受け止めながら、ブレずに真面目に議会活動を行ってまいります。