フィンランド教育第一人者 メルヴィ・バレ先生来日特別講演
フィンランド教育に学ぶ~フィンランド流子どもとの接し方~
令和元年11月10日(日)
13:30~15:00
飯能市市民活動センター多目的ホール
フィンランドの「読解力」に関する教育は、世界中から注目されています。
メルヴィ・バレ先生は、学習指導要領の策定に携わり、国語の教科書の執筆などをされてきた第一人者。
幼少期の子どもと接する際に大切なことなど、フィンランド教育や家庭で役立つ内容の講演でした。
フィンランドに関する講演会は、可能な限り参加しているので
フィンランドについての紹介や歴史、文化、観光、自然、トーベヤンソンについてなど
私もかなり詳しくなってきました。
例えば、野球はマイナーでアイスホッケーがメジャーだとか
15万個の湖があって、湖のほとりにはサウナがあり、サウナを出て湖に飛び込んで泳ぐ
その「サウナ」がフィンランド語とか。
今回、思わず声が出てしまったのは、メルヴィ先生が着ておられるお衣装が
1970年のマリメッコのもので、日本人がマリメッコがお好きと聞いて着てきました…と言われた時。
とっても素敵でした。間近で見せていただきました。
テーマであるフィンランド教育については
幸せな子育てに何が必要か
親も様々学ぶこと
寛容や忍耐は
世代が違う人々が関わることで
物事を別な角度から見ることができるようになること
気質というのは先天的なもので、遺伝的要素が大きく
その子の気質に合わせた教育がいかに重要か
本の読み聞かせの重要性、
どれだけ読み聞かせたか
それも会話をするような読み聞かせが大切であり
表紙からタイトルから絵から
その子が何をどう推察するか
また、絵の上や下からも
自由に想像して
登場人物がどんな気持ちか
何を感じたか
それはなぜなのか
理由を聞き
15分読んだら30分話し合うような読書
それを楽しむこと。
そうした子どもとの接し方のヒントがたくさん詰まったお話でした。
また、フィンランドが教育にどれだけ投資しているかについては
よく知られているところではありますが
おばあちゃんの支援を重視していること
ネウボラの支援が充実しており
メンタル・医療・具体的な支援は両親への支援もあり
国から届く出産お祝いBOXは、お洋服からベッド、ファーストブックまで
毎年変わる充実ぶりだとか
その社会的システムは知れば知るほど唸るばかりです。
妊娠7週から産後16週まで、父親も母親も同じ立場で有給休暇がとれることが
法律で定められていたり
3歳までは毎月4万円の育児給与
共働き世帯には、子どもが保育を受ける権利が担保されており
両親のどちらかが、有休を使って休む権利も保証されています。
ただ、子どもを預けて働く環境が整っているとはいえ
子どものそばには親の愛情が必要、という考え方がベースにあり
特に0~5歳は、言語や思想が育つ時期であり
キャリアか子どもの成長に愛情を注ぐのか
選択の問題とされているとか。
これは、日本の状況と違い過ぎて
少し違和感を覚える印象があるかも知れませんが
いわゆる日本の「3歳児神話」等とはまた異なり
それだけ選択肢が多く、様々な価値観や考えのもと
何よりも教育に、国をあげて先行投資しているゆえの議論でもあるのだと思います。
昨日のフィンランド協会理事長の話にもあり
メルヴィ先生ももちろん当たり前であり、前提としている、リカレント教育
子育てに専念する時期があることで中断される親のキャリアや仕事におけるスキルアップや学びについて
リカレント教育の先進国であるフィンランドだからこそ選べる選択肢もあるのだと感じるところです。
昨日の続きになりますが、個人的には、出産や育児によってキャリアが中断することを
「キャリアか!子どもの成長か!」と迫るのではなく
ましてや、0~5歳の大事な時期に子どもの成長よりキャリアをとるのか?といった脅迫概念にとらわれることなく
いつでも学び直しができて、キャリアも再出発できる
子育てに専念している間も、社会から孤立することなく
国全体から支援されるその仕組みがあることがいかに重要か
仕組みを作り替えていくことについて考える時間となりました。