令和元年8月8日(木)
広報委員会行政視察にて、大阪府高槻市議会さまにお邪魔せていただきました。
調査事項は「議会だよりの編集・発行等について」。
広報委員会の役割として、いかに市民のみなさまに議会に関心を持っていただき、身近に感じていただけるか。それを「広報」できるか…ということは、委員としても常に悩ましいところです。この時代において、発信力は必須であり、それがそのまま市議会の魅力や評価につながります。
ツールは議会だよりだけではないですが、今回の調査としては、「議会だよりの編集・発行」。
高槻市議会さまは、過去何度も議会報コンクールに入賞されており、また、点字版、カセットテープによる声、DVDによる手話、の議会だよりも発行されています。
我々、飯能市議会広報委員会でも、あれもやろう、これも必要だろう、ここは必須ではないか…と、様々に意見やアイデアを出し、議論しながらも、なかなか実現に至らない状況で、現状打開のヒントを学ばせていただこうと、大変楽しみにしていました。
まず、衝撃的に意外だったのが、(過去私が手に取ってきた中では圧倒的に)シンプルな作りだったこと。
A4版冊子型 フルカラー
3月定例会が16ページ
6・9・12月定例会は8ページ
臨時会は4ページ
中綴じ(真ん中がホチキスでとめてある)
と、薄くて軽いのです。
事務局4人チーム、議員は編集委員が9人。
作業分担としては、編集委員(議員)は、掲載事項・表紙写真・議案質疑の選定と、一般質問は発言議員が原稿作成。
その他、写真の撮影から全ての記事の作成は事務局とのこと。
レイアウトやデザインはプロの委託業者に任せているそうで、読んでいただくための工夫としては
・文字が多くなりすぎないよう、内容を絞る
(読みやすさと親しみやすさ重視)
・議案質疑、一般質問は文字が多くなる傾向があるため行数の目安を決める
・写真やイラストを多く配置
(全ページフルカラーの特性を活かす)
・議会に興味を持っていただくための特集記事を組む
などとのことでした。
中核市議会議長会の議会報コンクールでは、
・表紙写真が柔らかく、かつ市政課題を取り上げていること
・写真の大きさと記事量のバランス
・ピクトグラムや見出しのあしらいの工夫
等により、「一気に読める議会報」となっていることが評価されての受賞とのことでした。
あれもやろう、これもやらねば、これも必須だろう…等々、何かと盛り込むことを考えがちだった我々の委員会としては、確かに目からウロコのシンプルさで逆の発想でした。
実は、事務局との作業分担については、飯能市議会広報委員会もあまり変わりません。
写真撮影から記事の作成は事務局、掲載事項や議案質疑の選定もほぼほぼ事務局です。
大きく違うのは、2点。
一つ目は、高槻市議会さまでは、とにかく市民の方が読んでわかりやすいように、読みやすいように、「ですます調」で簡潔に書かれていること。
何より、文字数が少ない。
そして二つ目は、議員の名前や顔写真はもちろん、会派名など、一切が記事に掲載されていないこと。
議案質疑や一般質問、編集後記さえも誰が書いたか記名はありません。「議員」「委員」と記されています。
ともすれば、議員が自分の発言を主張したくなるところ、本来、いかに市民のみなさまに、手に取っていただくか、読んでいただくか…に特化すれば、なるべく文字数少なく、情報を絞って、わかりやすく柔らかく書く。誰が発言したかや議員の顔写真も、重要なのはそこではなく、議会について、審査審議された内容について、可能な限り読みやすくわかりやすくすること。
今さらながら、あらためてそのことを再確認するところとなりました。
実は私自身、よく市政報告会などで、「一般質問はたくさんの方に傍聴にお越しいただいて、それは本当に感謝しているのですが、ぜひ次は採決と討論に注目していただきたい」と申し上げることがあります。
どんな議案が上程されたか。
それに対して、どんな議論をしたか。
どの議員が、どんな論点で、賛成または反対しているか。
そこをぜひチェックしていただきたいと、やはりなるべくわかりやすくお話させていただくのですが、
「議会だよりでは、●×は掲載されるけれど、反対と賛成の論点については、やはり一人会派で新人というのもあって、私の討論が掲載されることはほぼないんです。同じ反対でも、他の会派さんと論点が全く真逆のこともあります。賛成については、本当に市民の皆さまと市の発展のための賛成であると納得できるか、皆さんのチェックが必要なんです。」
とお話ししていたのも事実。
本来の議会だよりの重要ポイントは、会派や議員の論点ではなく、市議会全体をいかに広くわかりやすくお伝えするか、ということであると考えると、これは根本的な考えが方向違いであったと反省するところです。
私が過去手に取った中では最もシンプルな「一気に読める議会報」から、議会だよりの本来の目的を再確認することとなり、また、飯能市では実施していない点字や手話の議会報も実際にみせていただき、今後の委員会における提案や議論において、発想の転換ができそうです。
ご多用の中、視察を受け入れて下さった高槻市議会議会事務局のみなさま、吉田議長さまにはあらためて御礼申し上げます。ありがとうございました。
追記1:
通常、リアルタイムで所在がわかる発信は控えているのですが、今回たまたまSNSで「高槻に向かっています」と書いたところ、それを見た高槻市民の方が、吉田議長さまに連絡をしてくださったそうで、吉田議長さまは「坂井さん、聞いております。お待ちしておりました。ようこそ高槻へ。」と歓迎してくださいました。
お背が高くて知的な吉田議長さまはとっても素敵で、大変光栄でした。ツーショット写真も撮っていただき、感謝申し上げるばかりです。ありがとうございました。
追記2:
記事の本文と相反しますが…8月発行の飯能市議会だよりの編集後記は、坂井が書かせていただいています(笑)今後の検討課題とさせていただきます。