HGP通信【飯能市への産業誘致】

◆CCRC型特別養護老人ホームやデータセンター誘致で地元土建業への波及効果、
雇用創出、法人市民税、固定資産税の1%増。

◆近隣自治体一体で既存観光資源の活性化を。

地域経済が抱える本質的な問題点

飯能からの通勤は、始発からで楽とはいえかなり時間がかかりますよね。そもそも、国土は職住近接が重要とされていたのですが、なかなか実態は伴わず、都心に出て、しかも乗り換えるという、通勤長時間はいまだ続いています。
飯能市では、産業振興で対策をしていますが、大きな改革につながった、大賑わいになったとは言えない、これは市民の皆さんが実感しているところでしょう。
都市研究家ジェイン・ジェイコブズの著書『発展する地域、衰退する地域』は、地域経済が自立、発展するための処方箋で、30年前の書籍ですが、現在の飯能の地域活性化策で足りない、地域経済が抱える本質的な問題点を指摘しています。

・地域単位
マクロ経済の需要施策では、波及効果も落ちており一自治体の公共事業で地域は新興できません。地域の多様性が経済を発展させる基礎で、近隣自治体がまとまった地域主権が必要です。
・安い労働力での誘致の限界
地域振興の一般的処方箋は企業誘致ですが、さらに安い労働力を求めて県外や海外に移転してしまえばそれまでです。地域の自立的な経済発展につながることが重要です。
・補助金頼みの誘致の限界
誘致に補助金を出すことは税金浪費、衰退の取引 であり、停滞の解消策にはなりません。戦略をもって創造的な地域を生み出すことが必要です。
・漂流の重要性
地域経済は自在に漂流、流れに沿うことで拡大・発展していきます。不況や災害など、予測不可能な問題がある中で発展を続けるには、古い長期計画に従って行動するより、社会変化に対応し、挑戦することです。

これを踏まえると、自治体が税金バラマキによって、鳴り物入りで誘致した製造業の工場が新興国に移転し閉鎖、企業の消滅、業績悪化で操業停止、他自治体での誘致後いろいろありましたね。事業構造を高度化させ、再投資やサプライヤーなど関連企業の進出につなげる政策が重要です。

飯能市内への産業誘致について

飯能市内への産業誘致も同様に、単純に企業が郊外に立地という時代はずいぶん前に終わり、物流拠点の移動も圏央道バブルが収束、今は震災対応での情報通信企業のデータセンター設置があげられます。このデータセンターは、新規サーバが増えていくので、固定資産税の額も比例して増加、大きな効果があります。
データセンター誘致はすでに進んでおり、東京でも多摩の郊外にこうしたデータセンターが数多く設置されており、飯能市や沿線自治体の災害対応力といった安全面からの企業へのアプローチ、囲い込みが求められます。飯能市や近隣自治体で多々誘致が進めば、設備投資による地元土木建設業への波及効果、情報通信裾野分野の企業が事業所を設ける可能性も出て、相乗効果が期待できます。

福祉分野の施設整備の誘致も、法人市民税にとどまらず、雇用創出効果があります。特別養護老人ホームを整備すると、当然ながら介護保険の支出が増えることになりますが、都心での土地不足、単価高騰による施設設置困難により、待機して地域密着型施設の入居を求める方と、遠地でも早く安心して暮らせるところにという、ニーズの多様化があります。
すでに待機高齢者が膨大な杉並区は、全国に先駆けて区外や都外に自治体間連携で特別養護老人ホームを多く整備しています。また、豊島区は秩父市へ施設設置を予定、秩父市も誘致に力を入れています。他県でも先行事例として、シェア金沢やゆいま~る那須といった施設があります。
東京都内やさいたま市近郊自治体との協議で、都外や市外の協力特別養護老人ホームを設けることは、飯能市事業所増に向けて検討に値すると思います。協力関係にあることから、費用についても転出する自治体での住所地特例があり、日本版 CCRC(高齢者の移住促進)構想は非常に重要です。
この移住促進には、別途指摘している健康分野への注力が重要な誘因となります。

観光面での進行ならば、飯能市単独でのインバウンドは、国内はもちろん、海外での知名度の点で短期での効果は望めません。例えば外環道、圏央道、西武線等の沿線自治体で、1泊できる地域観光資源のメニュー化を進め、回遊できるという、旅行会社が国内外のツアーとして取り上げられるような、提案力が重要です。
近隣自治体と連携した、民間旅行会社への提案をしていきたいですね。海外観光客が事前に読む本やwebで案内をし、大使館への協力依頼も必要でしょう。入間基地に観光客が成田や羽田からチャーターできるよう一部貸与など特区で許可してもらえたら、可能性は格段に広がります。
国家戦略特区を使い、宿泊施設以外でも泊まれるようにして、旅客人数の母数を増やすことも必要で、お客が増えれば既存施設にも宿泊増となり、地域全体が潤います。

地元土建業への波及効果、情報通信分野の裾野企業が事業所の開設により、雇用創出、法人市民税、固定資産税の増を狙っていきたいところですね。