今回の一般質問でいただいたご意見・ご質問について

今回の一般質問での、市長答弁に関するご意見・ご質問についてお話します。

【何があったか】
坂井は併用方式にて登壇。
※併用方式とは
1回目の質問を全項目一括で行い、一括で全ての質問に答弁があります。その後、一問一答形式で、質問ごとに答弁が行われます。

今回、質問のテーマは2つ。
1番目が地域問題。
2番目がひとり親家庭の支援について。

『第一回目の一括質問の全文と答弁の概要はこちら』

一括質問、一括答弁が行われたのに続き、一問一答形式へ。
1番目の地域問題の一問一答が終わり、続いて2番目のテーマに入るところで、
議事上通例、指名が常である議長から
「坂井議員だから言うわけではないが、答弁者は執行部が決めるもので、誰が答弁するかはわからないが、承知してほしい」
というの趣旨の発言がはじめてありました。

その議長発言の後で、発言許可を受け坂井が発言。
「ひとり親家庭の支援について、答弁では、様々の子育て支援は、ひとり親に限定しないという内容だった。しかし、諸外国との比較においても、貧困の再生産と指摘されるひとり親家庭への支援についてどうあるべきか。市内12%のひとり親家庭の支援について、飯能市としての考えを、市長から総括してうかがいたい」
と、質問しました。

ここで、議事上通例、指名が常である議長より再度、
「先程も申したように、国会でも総理大臣が答弁しないこともあり、国会と同じで、答弁者はこちらで決めるもので誰が答えるかはわかりませんので了承してください。」
という趣旨の発言がありました。

結果、市長の見解を質したにも関わらず、担当部長が答弁。
このやりとりに、議場では、いささか唐突で違和感漂う空気となり、不規則発言(ヤジ)も起こりました。

それを傍聴していた市民の方から
「何だったんだ!?」
「なぜ市長が答えてくれないんだ!」というお声が届いているという状況です。
ここまでが、ご質問いただいている件の経緯です。

【解説すると…】
1)ルール上、答弁者は指名制ではなく、市側が答弁者を決めます。担当が答えることもあり、市長や副市長が答えることもあります。市長が答弁しなかったということです。

2)また坂井も、「市長の考えをお伺いします」と質問をしているので、ここにルール違反はありません。
「市長に質問をした」のであって、「市長を指名」はしていません。質問内容も、総括しての市の見解ですから、市長にうかがって問題ないものです。

3)議事整理という議長の権限があり、議長発言は議事整理発言に該当します。

この際、起こった不規則発言(ヤジ)は、
「市長は答弁を」といったものもあれば、
「質問に関係ないこと言うな!」と私に向けたものもありました。

私に向けた理由は、
「たくさん傍聴にもいらしていて、毎回、市長の答弁を聞きたいという市民のお声をいただいています。ぜひ市長にも、ご答弁いただける機会があればと思います。」という発言を冒頭したためです。

4)一般質問登壇日は、毎回多くの市民の方に傍聴にお越しいただいており、私の質問について、市長の見解や思いを聞きたいというご意見もあります。実際、「なんでえっちゃんの質問には、市長は答弁しないんだろう?」
と、いつも聞かれておりました。

5)今回は、多くの要望を受け、早い段階から調査しており、娘さんがシングルマザーで子育てをしておられるという市民の方から、ご意見をうかがった際、
「大変楽しみにしています」等々のお声もいただいていました。

こうした背景が、市長の考えをお伺いしたかった理由となります。市長の答弁も市民の皆さまに聞いていただきたいと考えています。

【追記】
この件については、実はその他にも

・あのタイミングで議長がいうのは与党議員にもするの?
・他の女性議員がママ友のメール(市民からの要望)を質問した時は、市長自らその場で約束したのに、子育てでも区別するの?
・市長与党議員にだけ答弁するのはおかしくないか?
・市長が答弁しないのを、市議会はよしとしているのか?
・市長が答えないなら、副市長は?部長が市の総括を答えるものなのか?
・なぜ部長の答弁にもっと切り込まない?

etc.予想以上に多くの疑問・質問から、私への叱咤激励までお寄せいただきました。

タイミングについては、事前に市長のお考えをうかがいたいと担当課長に依頼してあったからです。

他は、細かくお答えしていくと、今回の報告からは論点が広がりすぎますので、市政報告会などでお話させていただきたいと思います。

でも、こうして市政に関心をもっていただけて、また私の一般質問だけでなく、飯能市議会をよく見ておられる市民の方がいらっしゃるのだということは、大変嬉しく感じています。

【今回の件で、坂井調査と考察】
今さらのそもそもではありますが、答弁しない市長、副市長ってめずらしいですよね。

議会によって違いますが、
・全体の総括を市長が答弁して、詳細は担当部長が答弁するとか
・委員会にも市長が出席するなど、
市長も答弁する議会は多いです。
これは、飯能市議会の慣習とか、市長と理事者の方向性かも知れません。

ここで公的な、重要な事実をお知らせします。
「基本的に市長副市長は答弁をしません。」
私は、当選して最初の一般質問の担当課との打ち合わせで、そう飯能市の役職者からハッキリ言われました。

実際、市長が答弁するのは、市長与党市議が質問し、市長が答えることで、市の新規事業や取り組みを公表する、のちに反映される場合などが主です。
もしくは、市長が答弁すること自体が「与党対応」になっている場面も。

このあたりは、飯能市議会の議事録をお読みいただいたり、録画中継をご覧いただけるとおわかりいただけると思います。
今回の場合は、どうだったのでしょうか。

私なりには、こんなことを感じ、考えました。
大久保市長の口から頻繁に発せられる言葉の一つは
「一人の漏れもない幸せ」です。

市長の挨拶はもちろん、議会中の執行部の答弁でも、
・水道事業では
「市長の一人の漏れもない幸せの考えのもと、一秒たりとも水を止めない…」

・地域公共交通対策では
「一人の漏れもない幸せのために、通勤通学買い物観光の足として欠かせない路線バスは…」

・学校教育では
「一人の漏れもない質の高い教育のために…」

・平和都市宣言やSDGsもまた
「市長の常々おっしゃる一人の漏れもない幸せとまさに一致する…」
等々、まさにキーワードです。

そして大久保市政は一貫して、
「女性と子どもにやさしいまち」を掲げ、子育て支援に力を入れています。

そんな、一人の漏れもない幸せを明言する、女性と子どもにやさしいまちにおいて、ひとり親家庭の支援については、国と県に準じる事業以外、市の独自事業が、
【一つもなかった。】

だから、飯能市としてひとり親家庭の支援がどうあるべきか、市長の考えの方向性をうかがいたかったのです。
独自事業がないならば、「市内子育て世帯の約12%にあたるひとり親にこれをします」と、具体的に即事業化を言わせようとしたわけでもありません。

いくらでも、
「事例を検討」など、答弁ができたものです。なぜ、答弁をしなかったのか。もしくは、先の「基本的に市長副市長は答弁を…」というように、させなかったのか。

民間のリーダーは、
「これで世の中を変えたい!」
「こんな世界にしたい!」といった、限りない情熱とビジョンがあるから、行動して、世の中にインパクトを与えていくんだと、私は考えます。

市長もまた、
自分の公約、政策に一切のブレなし!
自分の描く市の未来を実現する!
強い思いをお持ちなので、
一定、ひとり親家庭の支援についてのお考えもあったと、私は信じたいところです。

でも、
質問があっても言えない、言わせないのが、残念ながら今の地方議会の姿でもあり、市民の抗議からも明らかなように、それはおかしいというのは普通の感覚です。

当たり前の感覚で、市民のみなさまだけをみて、活動していくしか今の私にはないのですが

この3月議会で、私も任期の折り返し。

あらためて、自分自身を振り返ることにもなりました。

飯能は静かですが、もうすぐ統一地方選。

直接関係のない自治体の選挙も、関心をもってみると
実は楽しいもので、

政策をみていて、本当に
「あぁ、この人が描く新しい市をみてみたいな」
「この人に託したいな」と思える
人材を見つけてしまったりもします。

これは少々マニアックですが
今後も、市政や議会に関心を持っていただけるよう活動してまいります。